ザ・ビートルズ楽曲データベース

The Beatles Recording History

すでにもう「ビートルズ」としての形は崩壊していた。

放棄したプロジェクトをなんとか形にするために、フィル・スペクターにテープを渡すジョンとジョージ。

自身のソロアルバムを録音していたポールは、この決定を聞いていなくて過剰なアレンジをされた事に怒りを表した。

そして4月。決定的なポールの発言でバンドの歴史は終わる。

そんな1970年。

1970

Date 曲名 備考
1/3

※ビートルズとしての最後の録音セッション

ジョンを除いた3人は再びアビイ・ロードに集まる。
未だダラダラとプロジェクトが続く映画のラフカットの中に、ジョージがこの曲を弾き語りで演奏する場面があったため、整合性を取るために追加されたセッションだった。

1/4 1/31のテイクにコーラス、ブラス、そしてギターソロをオーバーダブする。
1/5  

※2度目のアルバム「ゲット・バック」の曲順が決定。

「アイ・ミー・マイン」「アクロス・ザ・ユニバース」を加えて、「Teddy Boy」が外されて再度マスターテープが作られる。
しかしこれは3月にフィル・スペクターが登場するために再度ボツに。

1/8 ジョージのヴォーカルが再録音された(らしい)。
1/27 この曲のステレオミックスが初めて作られる。
この日、ジョンとジョージは別のスタジオでジョンの3枚目のソロシングル「インスタント・カーマ」をフィル・スペクターのプロデュースで録音していた。
2/28 この日のミックスは未発表。
3/6 ラストシングル「レット・イット・ビー / ユー・ノウ・マイ・ネーム」発売。
3/23

フィル・スペクターによるアルバム「レット・イット・ビー」の制作開始。
アイヴ・ガッタ・フィーリング」「ディグ・ア・ポニー」「ワン・アフター・909」は1969年1月30日の「ルーフ・トップ・コンサート」のテイクから編集。
アイ・ミー・マイン」は編集で曲の長さを伸ばした。
アクロス・ザ・ユニバース」は後のオーバーダブの為にリミックスされる。

この日、別のスタジオではポールが変名(ビリー・マーティン)で録音していたファースト・ソロ・アルバムである「マッカートニー」のマスターテープをコピーしていた。

3/25

フィル・スペクターはアルバム「ゲット・バック」収録予定だったポールの作品「Teddy Boy」もこの日リミックスしたがこれはボツになった。

それで正解。
だってそれが使われたらポールのソロと被ってただろうし・・・・
(ファーストソロアルバム「マッカートニー」に収録された)

3/26

レット・イット・ビー」はハイハットにディレイをかけ、曲のリフレインを一回増やし、1/4のギターソロを採用した。
ゲット・バック」は1969年1月27日のテイクが選ばれ、曲の冒頭にジョンのおしゃべりを追加した。

ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」は来るべきオーケストラのオーバーダブの為にリミックスが作成された。

マギー・メイ」はグリン・ジョーンズ版と大して違いはない。

3/27 1969年1月24日のテイクから抜粋してミックス。
曲の最後にジョンのおしゃべりを追加。
3/30   映画の音声からテープループが作られるが結局未使用。
4/1 いよいよフィルの真骨頂であるオーケストラ+女声コーラスセッション。
この日はリンゴだけが参加して、ドラムのオーバーダブにも参加している。
オーケストラ、コーラス隊併せて総勢50名だった。
4/2 前日の3曲をステレオミックス。
これでアルバム「レット・イット・ビー」の制作は終了した。
4/10   デイリー・ミラー紙がポールのインタビューをスッパ抜く。
「今後ビートルズのメンバーと作曲することはない」
(ソロアルバム「マッカートニー」の販促物より)
4/17   ポールのソロアルバム「マッカートニー」が発売される。
ジョンは「てめえの脱退宣言をソロアルバムの宣伝に使いやがって!」と激怒した。
5/8 12thアルバム「レット・イット・ビー」が発売。
5/20 映画「レット・イット・ビー」が公開。

ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

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