ザ・ビートルズ楽曲データベース

She Loves You

邦題
シー・ラヴズ・ユー
作者
Lennon/McCartney(二人の共作)
リードヴォーカル / コーラス
ポール、ジョン / ジョージ
使用楽器
  • Rickenbacker 325 (John)
  • Hofner Bass (Paul)
  • Gretch Country Gentleman(George)
  • Premier (Ringo)

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Recording Data ~レコーディング・データ

ビートルズの英国での4枚目のオリジナルシングル。カップリングは「アイル・ゲット・ユー
このシングルは英国では1963年8月23日に発売された。
グループ初のミリオンヒットになった曲で、初期ビートルズのイメージを担う重要曲である。
全編、ジョンとポールのデュエットで歌われており、所々ジョージがハーモニーで加わっている。

ビートルズの初主演映画「ア・ハード・デイズ・ナイト」のライブシーンのラストを飾ったのもこの曲。

各オリジナルアルバムには未収録のために、編集盤「パスト・マスターズ」に収録されている。

この曲は1963年7月1日、アビイ・ロード第2スタジオにて録音された。
カップリングの「アイル・ゲット・ユー」も同日に録音されている。

細かいテイクの記録は残っていないが、両曲ともこの日に録音は完了し、
1963年7月4日にモノミキシングされた。

このレコーディングから2週間後にセカンドアルバム「ウィズ・ザ・ビートルズ」のセッションが開始。
最初に録音されたのは「ユー・リアリー・ゴット・ア・ホールド・オン・ミー」である。

Out Takes ~ミックス、テイク違い&リマスター

  1. この曲に関してはオリジナルのマルチトラックテープがモノミキシングの後に処分された為に、リアル・ステレオバージョンは存在しない。
    後にビートルズの初のベストアルバム「オールディーズ」に収めるべく1966年11月8日にジェフ・エメリックが、モノマスターテープから苦心して「疑似ステレオ」バージョンを作り出した。
    左チャンネルのトレブルをカットしてベースを聞かせ、右チャンネルに逆の処理を施した物である。
  2. The Beatles Anthology 1」に、ビートルズが1963年11月4日にイギリス王室主催の音楽会で演奏した際のライブテイクが収録されている。
  3. 2016年9月9日発売の「ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル 」(アナログのみで発売されていた公式ライブ盤「ザ・ビートルズ・スーパー・ライブ!」のCD化)にこの曲のライブバージョンが収録されている。
  4. この曲が始まって1分23秒あたりの所で大きく演奏の音質が変わるが、これは2つのテイクを繋ぎ合わせた跡だと推測できる。なお、2009年のリマスター盤ではこの切り替わりが極力わかりにくく修正されている。
  5. ライブ動画にてジョージがポールのマイクに度々近づいてコーラスを入れる場面を覚えている人も多いが、ジョージはジョンと同じメロディーを歌っているので、あの部分は2声の和音である。シングルのこの部分はポールとジョンのみである。

An anecdote ~ こぼれ話

  1. この曲はレコーディングの数日前の1963年6月26日にニューカッスル・アポン・タインにあるホテルで書かれた物であるが、ポールは当初、「She Loves You」とポールが歌った後に、ジョンとジョージが「Yeah,Yeah,Yeah」と応える形を考えていたそうだが、ジョンはこれを説得して止めさせたそうだ。
  2. 前シングル「フロム・ミー・トゥ・ユー」と同じくファンへの感謝の気持ちを書いた、との事だが「I Love You」や「We Love You」じゃ余りにも直接的過ぎるので「彼女は君の事が好きなんだって!」という第三者視線の歌詞に変更したそうな。もっともザ・ローリング・ストーンズは後年「この世界に愛を(We Love You)」という曲をリリースしており、ジョンとポールはこの曲にコーラスで参加している。
  3. アメリカではこの曲がデビューシングルとして発売されたが、大手レーベルはビートルズをイギリスの田舎モンとしか見ていなかったためにスワンというマイナーレーベルから発売されている。
    しかし、「抱きしめたい」の大ヒットによりこの曲を含む他の曲も注目されてチャート上位に躍り出た。
    アメリカではビルボード1位を獲得。250万枚以上を売る大ヒットとなっている。
  4. イギリスでは166.7万枚を売り、当時のイギリスでのシングル売り上げの最高記録を樹立している。この記録は後にポールが1977年にリリースした「夢の旅人(Mull of Kintyre)」で219.3万枚を売り上げるまで破られることはなかった。

各種聴き放題サービスでのビートルズ作品の取り扱い状況

Amazonプライムミュージック

ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)

Amazonジャパンのプレスリリースはこちら。

なぜこの3つが省かれているのかが謎ですが、単体での購入もお忘れなくという事なのかも知れません。
Amazonプライムはお急ぎ便の使用や送料無料、プライムビデオなど様々な特典を含んで月間400円、年間3,900円という価格で提供されています。
ちなみにプライムビデオの方では無料のビートルズ映像作品はありませんでしたし、公式の映画やコンサートフィルムは取り扱い自体がありませんでした。
頻繁にAmazonを使う、という事であれば加入するのもよいかも知れませんがビートルズを全て楽しみたい!という方には微妙かも。

Google Play Music

Googleが提供しているGoogle Play Musicの状況はオリジナルアルバム(アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントペパーの50周年含む)は全て配信されていますが、BBCセッション、レット・イット・ビー・ネイキッドは見当たりませんね。その代わりトニー・シェリダンものやハンブルグものなど少々怪しそうな物もラインナップされてるのがちょっと面白いです。
こちらは月額980円です。公式サイトはこちら

Spotify

Spotifyでの状況はGoogle Play Musicと同じ取り扱い状況ですが、時折広告が入ったり使用時間の制限があるものの公式アルバムの曲は全曲聴けるようになっています。
この制限を外したり、ダウンロード可能にするには月額980円の使用料が必要になります。
公式サイトはこちら

Apple Music

音楽配信サービスの大御所(笑)といえばやっぱりAppleですが、ビートルズの取り扱い状況は他よりも充実しており、BBCセッション、ネイキッド、イエロー・サブマリンソングブック、そしてなんとU.S.Albums(!)も含まれています。但しこれらは単体購入のみでしか聞けないものもあります。

オリジナルアルバム、アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントの50周年エディションまでが聴き放題プランの中に含まれているので、ビートルズを楽しみたいのであればApple Musicが今の所最良の選択と言えるでしょう。

惜しむらくはモノラル盤の取り扱いがないところですが、AppleにはiTunes独占配信だった「The Beatles Bootleg Recordings 1963」があるのが大きいですね。
このアルバムも月額プランで聴けるものの中に入っています。

月額プランは個人では980円。ファミリープラン、1480円もありこちらはこの金額で6人までアクセス可能です。

参考文献

ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

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