ザ・ビートルズ楽曲データベース

Help!

邦題
ヘルプ!
作者
Lennon/McCartney(二人の共作)
リードヴォーカル / コーラス
ジョン / ポール、ジョージ
使用楽器
  • Framus 12 String Guitar(John)
  • Höfner Bass (Paul)
  • Gretch Tennessean (George)
  • Ludwig (Ringo)
  • Tambourine

Recording Data ~レコーディング・データ

ビートルズの英国での5枚目にあたるオリジナルアルバム、そして2作目の主演映画のサウンドトラックアルバムでもある「ヘルプ! 」の1曲目に収録された、アップテンポのナンバーである。ジョンのアイデアを基に、ポールと二人で完成させたナンバーで、 映画ではオープニングに使用されている。

英国での10枚目のオリジナルシングルとしてもリリースされ、イギリス、アメリカ共にチャート1位を獲得した。
カップリングはポールの「アイム・ダウン」。
このシングルは英国では1965年7月23日に発売された。

この曲は1965年4月13日、アビイ・ロード第2スタジオにて録音された。
まずリズム・トラックが8テイク録音され、9テイクからヴォーカルが入る。
第10テイクでようやく完全バージョンとなり、第11テイクは失敗した。

最終テイク、そしてベストの第12テイクでジョージの半音で進行するアルペジオギターが録音された。

この曲はこの日だけで録音を終えており、1965年6月18日にモノラル・ステレオの両ミックスが作られて
アルバムに収録された。

Out Takes ~ミックス、テイク違い&リマスター

  1. モノラルとステレオでは以下の違いがある。
    • ジョンのリードヴォーカルが違う。ステレオ盤では「But now these days are gone」と歌われているが、モノラルでは「And now these days are gone」と歌われており、これはヴォーカルトラック自体が双方で違う物が使われていると思われる。
    • 曲中でもう一度1番の歌詞が歌われる部分(演奏が少し静かになる部分)で、ステレオではタンバリンが4小節毎に1発入るのに対して、モノラルでは入っていない。
    • ビートルズ海賊盤事典(著:松本常男)によると、ジョージの下降アルペジオフレーズがモノラルとステレオで違う、という記述があったが、これは管理人には確認できなかった。
  2. The Beatles Anthology 2 」に1965年8月1日に行われたブラックプール、ABCシアターでのライブ演奏が収録されている。
  3. 2016年9月9日発売の「ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル 」(アナログのみで発売されていた公式ライブ盤「ザ・ビートルズ・スーパー・ライブ!」のCD化)にこの曲のライブバージョンが収録されている。

An anecdote ~ こぼれ話

  1. デビューからたった2年足らずで、押しも押されぬスターになったビートルズは疲れ切っていたようで、怒濤のツアー、そして年2枚のアルバム制作ノルマなどなど常人では考えられないペースで仕事をこなしていた。
    前作の「I'm a Loser」あたりから内省的な歌詞が目立つようになったジョンは、いよいよこの曲で「ヘルプ!(助けてくれ!)」というメッセージを発信する。
    自らを「太ったエルヴィス」と称していたジョンは、この曲がお気に入りだったらしく後の「ゲット・バック・セッション」でも即興ではあるが演奏しており、また1970年には自宅で再アレンジを試みている。
    ジョンが射殺される1980年のインタビューでも「この曲を再録音したい」と発言している。
  2. 日本では「開運!なんでも鑑定団」のオープニングに使われたりしている。
    RCサクセションはライブ盤「コブラの悩み」で日本語でカバーしており、「ヘルプ!あ、じーさんばーさん」という歌い出しに微妙な気持ちになったものである。

各種聴き放題サービスでのビートルズ作品の取り扱い状況

Amazonプライムミュージック

ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)

Amazonジャパンのプレスリリースはこちら。

なぜこの3つが省かれているのかが謎ですが、単体での購入もお忘れなくという事なのかも知れません。
Amazonプライムはお急ぎ便の使用や送料無料、プライムビデオなど様々な特典を含んで月間400円、年間3,900円という価格で提供されています。
ちなみにプライムビデオの方では無料のビートルズ映像作品はありませんでしたし、公式の映画やコンサートフィルムは取り扱い自体がありませんでした。
頻繁にAmazonを使う、という事であれば加入するのもよいかも知れませんがビートルズを全て楽しみたい!という方には微妙かも。

Google Play Music

Googleが提供しているGoogle Play Musicの状況はオリジナルアルバム(アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントペパーの50周年含む)は全て配信されていますが、BBCセッション、レット・イット・ビー・ネイキッドは見当たりませんね。その代わりトニー・シェリダンものやハンブルグものなど少々怪しそうな物もラインナップされてるのがちょっと面白いです。
こちらは月額980円です。公式サイトはこちら

Spotify

Spotifyでの状況はGoogle Play Musicと同じ取り扱い状況ですが、時折広告が入ったり使用時間の制限があるものの公式アルバムの曲は全曲聴けるようになっています。
この制限を外したり、ダウンロード可能にするには月額980円の使用料が必要になります。
公式サイトはこちら

Apple Music

音楽配信サービスの大御所(笑)といえばやっぱりAppleですが、ビートルズの取り扱い状況は他よりも充実しており、BBCセッション、ネイキッド、イエロー・サブマリンソングブック、そしてなんとU.S.Albums(!)も含まれています。但しこれらは単体購入のみでしか聞けないものもあります。

オリジナルアルバム、アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントの50周年エディションまでが聴き放題プランの中に含まれているので、ビートルズを楽しみたいのであればApple Musicが今の所最良の選択と言えるでしょう。

惜しむらくはモノラル盤の取り扱いがないところですが、AppleにはiTunes独占配信だった「The Beatles Bootleg Recordings 1963」があるのが大きいですね。
このアルバムも月額プランで聴けるものの中に入っています。

月額プランは個人では980円。ファミリープラン、1480円もありこちらはこの金額で6人までアクセス可能です。

参考文献

ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

△ページ最上部へ移動

ザ・ビートルズ曲雑記ブログ レコーディング年表(1962-1970) ステレオ・モノラルその他テイク違い一覧表 イギリス本国でのシングルレコード一覧表