ザ・ビートルズ楽曲データベース

When I'm Sixty-Four

邦題
ホエン・アイム・シックスティー・フォー
作者
Lennon/McCartney(ポールの作品)
リードヴォーカル / コーラス
ポール / ジョン、ジョージ
使用楽器
  • Gibson ES-355 (John)
  • Rickenbacker 4001 (Paul)
  • Ludwig (Ringo)
  • Piano (Paul)
  • Bell (Ringo)
  • Clarinets (Robert Burns)
  • Clarinets (Henry MacKenzie)
  • Bass Clarinets (Frank Reidy)

Recording Data ~レコーディング・データ

ビートルズの英国での8枚目にあたるオリジナルアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の9曲目に収録されたボードヴィル調のナンバー。作者のポールがリード・ヴォーカルをとり、ジョンとジョージがコーラスをつけている。

後年のアニメ映画「イエロー・サブマリン」にも使用され、1999年にはビートルズ初のリミックス・アルバム「イエロー・サブマリン~ソングトラック~」が発売されたが、そこにもリミックスバージョンが収録されている。

1966年、ビートルズには様々な変化があった。
前アルバム「リボルバー 」のレコーディング・セッション終了後、ツアーに出たビートルズは1966年8月29日のサンフランシスコ・キャンドルスティック・パークのステージを最後に一切のコンサート活動を停止する。
行く先々でのビートルマニアの熱狂、楽曲の再現の難しさ、そしてあちこちでのトラブルにメンバーは疲れ切っていた。この無意味とも思えるコンサート活動を停止すれば、レコーディングに専念できると考えたのだ。

デビュー以来、守り続けてきた「1年に2枚」のアルバム制作もこの年は初めて守られなかった。
その代わりに、クリスマスシーズン用に初のベストアルバム「オールディーズ」を発売。(未CD化)
11月24日からシングル「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」の録音を皮切りに、「もうステージはやらない」と宣言したビートルズは「架空のバンドがショーをする」というコンセプトアルバムの制作を開始したのである。

この曲は1966年12月6日、アビイ・ロード第2スタジオにて録音が開始された。
アルバム収録曲の中では最も早くレコーディングが開始された曲である。
この日はリハーサルの後、手早く2テイクを録音。
ポールはベースの他にピアノもプレイした。
両方とも完全バージョンで第2テイクがベストに選ばれる。

1966年12月6日にポールはヴォーカルをオーバーダブ。
この日のこの曲にはポールのみ参加で後のメンバーは参加していない。

1966年12月20日。ジョン、ポール、ジョージによるコーラス、そしてリンゴはベルをオーバーダブ。

1966年12月21日には3人のクラリネット奏者が呼ばれて、オーバーダブ。

そして1966年12月30日にポールはミックスダウンの段階でスピードを早める事を提案。
(若い頃に作った曲なので、声を若くする意図があった。しかしテンポもあがりキーも半音上がった)
もともとこの曲はキーCで録音されているのに、レコードでは半音高いC#になっている。

Out Takes ~ミックス、テイク違い&リマスター

  1. 2017年に発売されたこのアルバムの50周年記念盤「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)」に第2テイクが収録されている。
    最終ミックスの際に半音上げられた事を裏付けるようにこの曲はキーCで演奏されていますが、どうやらこのテイクは1発録音のテイクではないようですね。
    最初はドラム(リンゴ)、ギター(ジョージ)、ベース(ポール)で録音したあとにピアノとボーカル、そして最終バースで右側から聞こえてくるギターを足したと思われます。
    この後にどんどん音が足されて最終的に回転を上げてリリースにいたるわけですが、こっちの方がポールの声って感じがして管理人は好みです(笑)

An anecdote ~ こぼれ話

  1. この曲はデビュー前からステージでは演奏されていた。
    ステージでアンプなどがトラブルを起こすと場つなぎのために、ポールがピアノで歌ったりしていたそうだ。
    1966年にポールの父親が64歳になったために、この曲の中間部分を新たに作ってレコーディングする事になったのである。
  2. しかし時が経てば、そのポール本人も64歳になる時がくる。
    その64歳になる直前の2006年に再婚相手のヘザー・ミルズと離婚する事になったのはなんとも皮肉。
    この曲の内容が恋人に対して「僕が64歳になっても必要としてくれるかな?」と問いかけるものだけに・・・・
    ポールの子供達は、ポールを慰める意味を込めてこの曲をレコーディングして贈ったそうな。
  3. この曲と言えば・・・・・・・「ひらけ!ポンキッキ」・・・・ですよねー。

各種聴き放題サービスでのビートルズ作品の取り扱い状況

Amazonプライムミュージック

ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)

Amazonジャパンのプレスリリースはこちら。

なぜこの3つが省かれているのかが謎ですが、単体での購入もお忘れなくという事なのかも知れません。
Amazonプライムはお急ぎ便の使用や送料無料、プライムビデオなど様々な特典を含んで月間400円、年間3,900円という価格で提供されています。
ちなみにプライムビデオの方では無料のビートルズ映像作品はありませんでしたし、公式の映画やコンサートフィルムは取り扱い自体がありませんでした。
頻繁にAmazonを使う、という事であれば加入するのもよいかも知れませんがビートルズを全て楽しみたい!という方には微妙かも。

Google Play Music

Googleが提供しているGoogle Play Musicの状況はオリジナルアルバム(アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントペパーの50周年含む)は全て配信されていますが、BBCセッション、レット・イット・ビー・ネイキッドは見当たりませんね。その代わりトニー・シェリダンものやハンブルグものなど少々怪しそうな物もラインナップされてるのがちょっと面白いです。
こちらは月額980円です。公式サイトはこちら

Spotify

Spotifyでの状況はGoogle Play Musicと同じ取り扱い状況ですが、時折広告が入ったり使用時間の制限があるものの公式アルバムの曲は全曲聴けるようになっています。
この制限を外したり、ダウンロード可能にするには月額980円の使用料が必要になります。
公式サイトはこちら

Apple Music

音楽配信サービスの大御所(笑)といえばやっぱりAppleですが、ビートルズの取り扱い状況は他よりも充実しており、BBCセッション、ネイキッド、イエロー・サブマリンソングブック、そしてなんとU.S.Albums(!)も含まれています。但しこれらは単体購入のみでしか聞けないものもあります。

オリジナルアルバム、アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントの50周年エディションまでが聴き放題プランの中に含まれているので、ビートルズを楽しみたいのであればApple Musicが今の所最良の選択と言えるでしょう。

惜しむらくはモノラル盤の取り扱いがないところですが、AppleにはiTunes独占配信だった「The Beatles Bootleg Recordings 1963」があるのが大きいですね。
このアルバムも月額プランで聴けるものの中に入っています。

月額プランは個人では980円。ファミリープラン、1480円もありこちらはこの金額で6人までアクセス可能です。

参考文献

ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

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