ザ・ビートルズ楽曲データベース

Tomorrow Never Knows

邦題
トゥモロー・ネバー・ノウズ
作者
Lennon/McCartney(ジョンの作品)
リードヴォーカル / コーラス
ジョン / -
使用楽器
  • Hammond Organ (John)
  • Tambourine (John)
  • Gibson ES-345(George)
  • Rickenbacker 4001 (Paul)
  • Sitar (George)
  • Tambura (George)
  • Ludwig (Ringo)
  • Piano (George Martin)
  • Tape Loops

Recording Data ~レコーディング・データ

ビートルズの英国での7枚目にあたるオリジナルアルバム「リボルバー 」の14曲目に収録された非常にサイケデリック色の強いナンバー。 作者ジョンがリード・ヴォーカルをとっている。

前アルバム「ラバー・ソウル」のレコーディング・セッションから半年の充電期間を経て開始されたこのアルバムのセッションは、さまざまな実験が盛り込まれて進行した。そのおかげなのか、このアルバムの収録曲がライブで演奏されることはなかった。もはやビートルズの録音物は当時の機材、そして4人という人数で再現は難しくなっていたのだ。

この曲は1966年4月6日、アビイ・ロード第2スタジオにて録音が開始された。
このアルバムのセッションで一番最初に取り上げられた曲がこの曲である。
この段階での曲名は仮題で「Mark I」。
3テイク録音(その内一つは未完成)したが、ベストは第3テイクとされる。
この日はリズムトラックのみの録音と「ビートルズ・レコーディング・セッション」には書かれているが・・・・・

今回のセッションからレコーディングに参加する事になったジェフ・エメリックは早速新しいアイデアとして
バスドラムの中にビートルズの昔の衣装を詰め込み、マイクを近づけてリミッターで処理をした。
今日では当たり前に行われている録音方式である。
若干20歳のこの若者は若者らしい好奇心を持ち、そして既成概念のなさが強みであったのか、新しいアイデアを次々とビートルズのレコーディングに取り入れている。

翌日の4月7日にSEのテープループ等をオーバーダブ開始。
ポールは家であらかじめテープループを作ってきていたらしく、
この事からも早くからループ使用を決めていたと思われる。
もし、前日に思いついてこの日にテープを持ってきてるのならそれもすごい話ではある。

1966年4月22日。
この日はジョージのシタールと、ジョンのレズリー・スピーカーを通したヴォーカルを再度オーバーダブ。
この曲の録音はこれで全て終了して完成に至る。

Out Takes ~ミックス、テイク違い&リマスター

  1. モノラル盤とステレオ盤では以下の違いがある。
    • ステレオ盤ではイントロのタンブーラが徐々にフェイドインするが、モノラル盤は一気にフェイドインする。
    • テープ・ループSEの挿入タイミングや種類などかなりの差異がある。これは各国の盤や出荷タイミングなどでも異なっている。
  2. The Beatles Anthology 2」に1966年4月6日のテイク1が収録されている。ループから始まりドラムが入る(パターンはリリースされた物と異なる)バージョンだが、「ビートルズ・レコーディング・セッション」ではこの日は「リズム・トラックのみ録音で翌日にテープループがオーバーダブされた」と記述されており、このテイク1が4月6日のみで録音されているとなると、すでにテープループは出来て録音もされており、ジョンのヴォーカル(しかもエフェクト付き)も入っているので整合性がとれていない。
    第3テイクにループを重ねる事を決定した、という記述ともズレが生じている。

    仮にもしビートルズがテープループを先に作り、それに合わせてドラムなどのリズムを録音したとなると、ヒップホップで主体になるループ・サンプルからバックトラックを作り上げる手法をすでに1966年に行っていたことになってしまうが・・・・・どうなんだろうか?

An anecdote ~ こぼれ話

  1. ジョンは「ダライ・ラマが山の上から説法している様な声にしたい」と言ったそうな。
    この様にジョンはイメージのみで要求するために、エンジニアなどはなかなか困ったと思う。
    それでレズリー・スピーカーに声を通す事を思いついたのだが、既成概念があったらこんな事できませんわね。

    歌詞はティモシー・リアリーがチベットの『死者の書』を基にして書いた本をジョンが読んでインスパイアされた。
    またタイトルは「ア・ハード・デイズ・ナイト」や「エイト・デイズ・ア・ウィーク」のようにリンゴの一言から決まったそうである。

各種聴き放題サービスでのビートルズ作品の取り扱い状況

Amazonプライムミュージック

ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)

Amazonジャパンのプレスリリースはこちら。

なぜこの3つが省かれているのかが謎ですが、単体での購入もお忘れなくという事なのかも知れません。
Amazonプライムはお急ぎ便の使用や送料無料、プライムビデオなど様々な特典を含んで月間400円、年間3,900円という価格で提供されています。
ちなみにプライムビデオの方では無料のビートルズ映像作品はありませんでしたし、公式の映画やコンサートフィルムは取り扱い自体がありませんでした。
頻繁にAmazonを使う、という事であれば加入するのもよいかも知れませんがビートルズを全て楽しみたい!という方には微妙かも。

Google Play Music

Googleが提供しているGoogle Play Musicの状況はオリジナルアルバム(アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントペパーの50周年含む)は全て配信されていますが、BBCセッション、レット・イット・ビー・ネイキッドは見当たりませんね。その代わりトニー・シェリダンものやハンブルグものなど少々怪しそうな物もラインナップされてるのがちょっと面白いです。
こちらは月額980円です。公式サイトはこちら

Spotify

Spotifyでの状況はGoogle Play Musicと同じ取り扱い状況ですが、時折広告が入ったり使用時間の制限があるものの公式アルバムの曲は全曲聴けるようになっています。
この制限を外したり、ダウンロード可能にするには月額980円の使用料が必要になります。
公式サイトはこちら

Apple Music

音楽配信サービスの大御所(笑)といえばやっぱりAppleですが、ビートルズの取り扱い状況は他よりも充実しており、BBCセッション、ネイキッド、イエロー・サブマリンソングブック、そしてなんとU.S.Albums(!)も含まれています。但しこれらは単体購入のみでしか聞けないものもあります。

オリジナルアルバム、アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントの50周年エディションまでが聴き放題プランの中に含まれているので、ビートルズを楽しみたいのであればApple Musicが今の所最良の選択と言えるでしょう。

惜しむらくはモノラル盤の取り扱いがないところですが、AppleにはiTunes独占配信だった「The Beatles Bootleg Recordings 1963」があるのが大きいですね。
このアルバムも月額プランで聴けるものの中に入っています。

月額プランは個人では980円。ファミリープラン、1480円もありこちらはこの金額で6人までアクセス可能です。

参考文献

ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

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