ザ・ビートルズ楽曲データベース

Norwegian Wood (This Bird Has Flown)

邦題
ノルウェーの森
作者
Lennon/McCartney(ジョンの作品)
リードヴォーカル / コーラス
ジョン / ポール
使用楽器
  • Gibson J-160E(John)
  • Framus 12-String Guitar (John)
  • Rickenbacker 4001 (Paul)
  • Sitar (George)
  • Ludwig (Ringo)
  • Tambourine (Ringo)
  • Finger Symbal(Ringo)

Recording Data ~レコーディング・データ

ビートルズの英国での6枚目にあたるオリジナルアルバム、「ラバー・ソウル」の2曲目に収録されたオリエンタルムード漂うミディアムナンバー。作者であるジョンがリード・ヴォーカルをとり、ポールがコーラスを付けている。

昨年と同じく「1年に2枚のアルバム」のノルマをこなすべく、10月半ばからこのアルバムのセッションは開始された。 実質このアルバムは一ヶ月たらずでレコーディング~ミキシングを経て、完成させている。
しかも、セッション開始の時点では、録音できる曲のストックがなかったそうだ。
ポールはこのアルバムのセッションより、リッケンバッカー4001を使用しはじめている。

インドの民族楽器であるシタールがビートルズのキャリアで初の採用。
また当時のポップソングでのシタールの使用は画期的だった。
この曲の発表後、ローリング・ストーンズは同じくシタールを使用した「Paint it,Black(黒く塗れ)」を発表した。

この曲は1965年10月12日、アビイ・ロード第2スタジオにて録音された。
このアルバムセッションの初日にあたり、同じ日には「浮気娘」が録音されている。
まず1テイクの録音にさまざまなオーバーダブが加えられ、一旦完成はしたもののこのアレンジは放棄される。
この段階での仮の曲名が「This Bird has Flown」だった。

後日、1965年10月21日のセッションで、ビートルズはこの曲のリメイクを開始。
この段階で曲のキーを1音あげ、若干ヘヴィーなアプローチで再アレンジを開始。
2テイク目から開始され、3テイク目にあたる第4テイクがベストと判断されて、オーバーダブが加えられた。
シタールの録音に関しては、レベルのピークが読めずにエンジニア(ノーマン・スミス)は苦労したそうである。
同じ日には「ひとりぼっちのあいつ」の第1~第2テイクが録音されている。

Out Takes ~ミックス、テイク違い&リマスター

  1. このアルバムに関しては、1987年のCD化においてもリミックスがやり直されており、またアメリカでも2種類のミックスが出回っていたり(収録曲も本国イギリスとは異なる)、本国でもカッティングレベルの違うアナログ初版の「マトリックス1」などがあって正直キリがない。
    現在、CDで出回っているミックスを下記に羅列しておく。
    • 1987年に発売されたCD(ステレオ)Voが中央に定位しているもの
    • 2009年に発売されたリマスターCD(ステレオ)基本は上記に準拠。
    • 2009年に発売された限定モノラルボックスに収められたCD(モノラル)
    • 上記のモノラル盤CDに収められたボーナストラック(ステレオ)1965年のミックス(Voが右に定位)
    • ザ・ビートルズ’65BOX」に収められたキャピトル(アメリカ)版ステレオミックス。
    • 上記に収められたキャピトル(アメリカ)版モノラルミックス。
    こんな感じで1度の音源で6回楽しめます、というかいい加減にしろコラ。
  2. The Beatles Anthology 2」に放棄された第1テイクが収録されている。
    発表された物よりもキーは1音低く、歌詞も一部違う。パーカッション類もライドシンバルやマラカスなども聞こえており、またサビの歌メロに対して、シタールのカウンターメロディが入っている。
    管理人はこのバージョンを海賊盤「Sessions」で聞いたが「そりゃボツるわな」と子供ながらに思った。
  3. モノラル盤では「She asked me to stay~」の歌詞の後に、誰かの咳払いが聞こえるが、ステレオではカットされている。

An anecdote ~ こぼれ話

  1. この曲は、ジョンが当時の嫁さんのシンシアにバレないように「他の女との情事」を曲にしたものらしい。朝起きたら鳥(女の意味)はいなくなっていて、最後にそこに火を付ける、というオチの歌詞なんだけども、当時の邦訳には「暖炉に火をつける」という訳になってた覚えがある。
    まあ、直訳すれば「ノルウェー木材」に近いそうだし、それぐらいの意味の取り違えもあるだろうけども。
  2. アンソロジーが出る前に日本では定番になってた映像作品「コンプリート・ザ・ビートルズ」での、この曲の使われ方はとても印象深かった。車に乗って立ち去るメンバーの映像にこのイントロが被さり、そして演奏がオールインした時にこのアルバムのジャケがデン!っと写る編集で、この映像のおかげでこの曲、そしてこのアルバムを買う原動力になったのでした。

各種聴き放題サービスでのビートルズ作品の取り扱い状況

Amazonプライムミュージック

ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)

Amazonジャパンのプレスリリースはこちら。

なぜこの3つが省かれているのかが謎ですが、単体での購入もお忘れなくという事なのかも知れません。
Amazonプライムはお急ぎ便の使用や送料無料、プライムビデオなど様々な特典を含んで月間400円、年間3,900円という価格で提供されています。
ちなみにプライムビデオの方では無料のビートルズ映像作品はありませんでしたし、公式の映画やコンサートフィルムは取り扱い自体がありませんでした。
頻繁にAmazonを使う、という事であれば加入するのもよいかも知れませんがビートルズを全て楽しみたい!という方には微妙かも。

Google Play Music

Googleが提供しているGoogle Play Musicの状況はオリジナルアルバム(アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントペパーの50周年含む)は全て配信されていますが、BBCセッション、レット・イット・ビー・ネイキッドは見当たりませんね。その代わりトニー・シェリダンものやハンブルグものなど少々怪しそうな物もラインナップされてるのがちょっと面白いです。
こちらは月額980円です。公式サイトはこちら

Spotify

Spotifyでの状況はGoogle Play Musicと同じ取り扱い状況ですが、時折広告が入ったり使用時間の制限があるものの公式アルバムの曲は全曲聴けるようになっています。
この制限を外したり、ダウンロード可能にするには月額980円の使用料が必要になります。
公式サイトはこちら

Apple Music

音楽配信サービスの大御所(笑)といえばやっぱりAppleですが、ビートルズの取り扱い状況は他よりも充実しており、BBCセッション、ネイキッド、イエロー・サブマリンソングブック、そしてなんとU.S.Albums(!)も含まれています。但しこれらは単体購入のみでしか聞けないものもあります。

オリジナルアルバム、アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントの50周年エディションまでが聴き放題プランの中に含まれているので、ビートルズを楽しみたいのであればApple Musicが今の所最良の選択と言えるでしょう。

惜しむらくはモノラル盤の取り扱いがないところですが、AppleにはiTunes独占配信だった「The Beatles Bootleg Recordings 1963」があるのが大きいですね。
このアルバムも月額プランで聴けるものの中に入っています。

月額プランは個人では980円。ファミリープラン、1480円もありこちらはこの金額で6人までアクセス可能です。

参考文献

ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

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