ザ・ビートルズ楽曲データベース

Eleanor Rigby

邦題
エリナー・リグビー
作者
Lennon/McCartney(実質はポールの作品)
リードヴォーカル / コーラス
ポール / ジョン、ジョージ
使用楽器
  • violin (Tony Gilbert)
  • violin (Sidney Sax)
  • violin (John Sharpe)
  • violin (Juergen Hess)
  • viola (Stephen Shingles)
  • viola (John Underwood)
  • cello (Derek Simpson)
  • cello (Norman Jones)

Recording Data ~レコーディング・データ

ビートルズの英国での7枚目にあたるオリジナルアルバム「リボルバー 」の2曲目に収録されたクラシカルな雰囲気を持つナンバー。ポールがリード・ヴォーカルをとり、ジョンとジョージがコーラスをつけている。リンゴはこのレコーディングには参加していない。ビートルズのメンバーは一切楽器を演奏しておらず、8人のセッションミュージシャンによって演奏されている。スコアを書いたのはジョージ・マーティン卿。

英国での13枚目のオリジナルシングルとしてもリリースされ、イギリスチャート1位を獲得した。
カップリングは両A面扱い(本国のみ)の「イエロー・サブマリン」。

1999年にはビートルズ初のリミックス・アルバム「イエロー・サブマリン~ソングトラック~」が発売されたが、そこにもリミックスバージョンが収録されている。

前アルバム「ラバー・ソウル」のレコーディング・セッションから半年の充電期間を経て開始されたこのアルバムのセッションは、さまざまな実験が盛り込まれて進行した。そのおかげなのか、このアルバムの収録曲がライブで演奏されることはなかった。もはやビートルズの録音物は当時の機材、そして4人という人数で再現は難しくなっていたのだ。

この曲は1966年4月28日、アビイ・ロード第2スタジオにて録音された。
この日はジョンとポールがコントロールルームに陣取り、トークバックを使って8人のセッションミュージシャンと会話をしながら録音を進めていった。
ここで例の「ヴィヴラート問題イエスタデイの項目参照)」が勃発し、マーティンはビブラートありなしの2つを演奏してポールに感想を求めたが、ポールの答えは「違い・・・わからない!」だったそうであるw
この日は1トラックに各2台の楽器を収録して、4トラックすべてを埋めた。全部で14テイクである。
ヴォーカルトラックを開けるために、このテイクをピンポンする。
これが第15テイクとなる。

翌日の1966年4月29日。
ポールのヴォーカルと、ジョンとジョージのコーラスのオーバーダブが行われた。

そして1966年6月6日。
ポールのヴォーカルの追加(サビのダブルトラック部分?)が行われてこの曲は完成に至る。

Out Takes ~ミックス、テイク違い&リマスター

  1. The Beatles Anthology 2」に弦楽8重奏のみ(カラオケ)が収められている。メンバーが誰一人と関わっていないこのトラックの収録には首をかしげたもんであるw 

An anecdote ~ こぼれ話

  1. ポールお得意の物語風歌詞であるが、この二人の人物(エリナー・リグビーとマッケンジー神父)は架空の人物である。エリナー・リグビーはポールが言葉遊びをしている内に出てきたもので、マッケンジー神父は最初マッカートニー神父だったそうだが、「親父が神父だと思われるのも・・・」と思って電話帳から適当に選んでマッケンジーに変えたそうだ。
    ところが偶然にも、エリナー・リグビーは実在し、その人の墓がよりによってセント・ピーターズ教会(ジョンとポールが初めて出会った場所でもある)にあるウールトン共同墓地で発見されて、それ以来ファンの聖地になっているそうだ。リバプールにはエリナー・リグビーの銅像まで出来ているそうである。
  2. 作詞に関しては、リンゴが「Darning his socks in the night when there's nobody there」を書いたと発言し、ジョンは「作詞は主に僕が全部やったと思う」と発言している。
  3. このアルバムからエンジニアとして、ノーマン・スミスと入れ替わりでジェフ・エメリックが参加している。(若干20歳!)。ジェフは若いせいもあり既成概念もあまりなく、若さならではの興味本位を次々と実験的に取り入れていったそうだ。この曲に関しては、ストリングスをかなりのオンマイク(弦にマイクがあたるぐらい!)で録音する事に挑戦している。
  4. 1984年の映画「ヤァ!ブロードストリート」でポールは6曲のビートルズナンバーを(スタジオ作品としては)初リメイクしているが、この曲も取り上げられている。映画の中ではBBCのスタジオで「フォー・ノー・ワン」を歌った後に歌われて、その後ポールの妄想世界へ入っていく場面で使われた。(エリナーの夢、というインストとメドレー。長い。)

各種聴き放題サービスでのビートルズ作品の取り扱い状況

Amazonプライムミュージック

ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)

Amazonジャパンのプレスリリースはこちら。

なぜこの3つが省かれているのかが謎ですが、単体での購入もお忘れなくという事なのかも知れません。
Amazonプライムはお急ぎ便の使用や送料無料、プライムビデオなど様々な特典を含んで月間400円、年間3,900円という価格で提供されています。
ちなみにプライムビデオの方では無料のビートルズ映像作品はありませんでしたし、公式の映画やコンサートフィルムは取り扱い自体がありませんでした。
頻繁にAmazonを使う、という事であれば加入するのもよいかも知れませんがビートルズを全て楽しみたい!という方には微妙かも。

Google Play Music

Googleが提供しているGoogle Play Musicの状況はオリジナルアルバム(アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントペパーの50周年含む)は全て配信されていますが、BBCセッション、レット・イット・ビー・ネイキッドは見当たりませんね。その代わりトニー・シェリダンものやハンブルグものなど少々怪しそうな物もラインナップされてるのがちょっと面白いです。
こちらは月額980円です。公式サイトはこちら

Spotify

Spotifyでの状況はGoogle Play Musicと同じ取り扱い状況ですが、時折広告が入ったり使用時間の制限があるものの公式アルバムの曲は全曲聴けるようになっています。
この制限を外したり、ダウンロード可能にするには月額980円の使用料が必要になります。
公式サイトはこちら

Apple Music

音楽配信サービスの大御所(笑)といえばやっぱりAppleですが、ビートルズの取り扱い状況は他よりも充実しており、BBCセッション、ネイキッド、イエロー・サブマリンソングブック、そしてなんとU.S.Albums(!)も含まれています。但しこれらは単体購入のみでしか聞けないものもあります。

オリジナルアルバム、アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントの50周年エディションまでが聴き放題プランの中に含まれているので、ビートルズを楽しみたいのであればApple Musicが今の所最良の選択と言えるでしょう。

惜しむらくはモノラル盤の取り扱いがないところですが、AppleにはiTunes独占配信だった「The Beatles Bootleg Recordings 1963」があるのが大きいですね。
このアルバムも月額プランで聴けるものの中に入っています。

月額プランは個人では980円。ファミリープラン、1480円もありこちらはこの金額で6人までアクセス可能です。

参考文献

ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

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