ザ・ビートルズ楽曲データベース

Flying

邦題
フライング
作者
Harrison/Lennon/McCartney/Starkey(全員の共作)
リードヴォーカル / コーラス
- / -
使用楽器
  • Gibson J-160E (John)
  • Rickenbacker 4001 (Paul)
  • Fender Stratocaster(George)
  • Ludwig (Ringo)
  • Organ (Paul)
  • Maracas (Ringo)
  • Melotoron (John)
  • Epiphone Casino (Paul)

Recording Data ~レコーディング・データ

ビートルズが企画した映画「マジカル・ミステリー・ツアー」のサウンドトラック盤(イギリスでは2枚組EP盤として発売された)のディスク2のA面2曲目に収められた曲。ビートルズの公式発表曲の中では、唯一のインストゥルメンタル・ナンバーである。

この6曲入りEP盤のセッションはアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のセッションが終わり、まだ発売もされていない1967年4月25日から開始されている。(「サージェントのミックスダウンが終わったのは5日前の4月20日!)

アメリカでは複数の曲をEP盤の片側に詰め込む事が一般的ではなかったために、
アルバムに未収録だったこの時期のシングルを収録した編集アルバムとして、LP盤「マジカル・ミステリー・ツアー」が企画され、本国でのEP発売の10日前にキャピトルから先行発売された。
1987年のCDリリースに際して、全世界で音源そしてカタログラインナップを統一する事になり、唯一アメリカ編集盤からこのLPが選ばれて統一カタログにラインナップ入りする事となった。
現行のCDでは「マジカル・ミステリー・ツアー」の3曲目に収録されている。

元々は仮題として「Aerial Tour Instrumental」と呼ばれていた。
このナンバーが最初に録音されたのは1967年9月8日。
全部で6テイク録音されたこの日のセッションだが、リリースされたものとはまるで違っていた。
エンディングにサックス(誰が吹いたのかは不明)が入っていたり、逆回転のオルガンが入っていたそうだ。
ベストとされた第6テイクをリダクションして第7、第8テイクを作成。
その第8テイクにジョンのメロトロンと、全員によるスキャットが録音されている。

そして1967年9月28日。
第8テイクに再び、ジョンのメロトロンとジョージのギター、リンゴのマラカスをオーバーダブ。
これとは別にサウンド・エフェクト用のセッションを第5テイクまで行った後、
このSEは第8テイクにオーバーダブされてこの曲は完成に至った。

Out Takes ~ミックス、テイク違い&リマスター

  1. エンディングで演奏がブレイクしてからのミックスがモノラルとステレオでは異なる。
    モノラル盤はサウンドエフェクトがステレオよりも早くフェイドインして来る上に、ステレオにはないギター低音弦のフレーズ(とは言えないレベルだが)がミックスされている。

An anecdote ~ こぼれ話

  1. インスト曲はデビュー前にはジョージ作の「Cry for a Shadow」が、そして未発表曲としては「ラバー・ソウル」セッションの時に生まれた「12-Bar Original」が存在するが、公式発表曲としてはこの曲が唯一である。また全員が作者にクレジットされているのもこの曲のみである。
    「Cry for a Shadow」は「The Beatles Anthology 1」に、「12-Bar Original」は「The Beatles Anthology 2」にそれぞれ収録されている。

各種聴き放題サービスでのビートルズ作品の取り扱い状況

Amazonプライムミュージック

ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)

Amazonジャパンのプレスリリースはこちら。

なぜこの3つが省かれているのかが謎ですが、単体での購入もお忘れなくという事なのかも知れません。
Amazonプライムはお急ぎ便の使用や送料無料、プライムビデオなど様々な特典を含んで月間400円、年間3,900円という価格で提供されています。
ちなみにプライムビデオの方では無料のビートルズ映像作品はありませんでしたし、公式の映画やコンサートフィルムは取り扱い自体がありませんでした。
頻繁にAmazonを使う、という事であれば加入するのもよいかも知れませんがビートルズを全て楽しみたい!という方には微妙かも。

Google Play Music

Googleが提供しているGoogle Play Musicの状況はオリジナルアルバム(アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントペパーの50周年含む)は全て配信されていますが、BBCセッション、レット・イット・ビー・ネイキッドは見当たりませんね。その代わりトニー・シェリダンものやハンブルグものなど少々怪しそうな物もラインナップされてるのがちょっと面白いです。
こちらは月額980円です。公式サイトはこちら

Spotify

Spotifyでの状況はGoogle Play Musicと同じ取り扱い状況ですが、時折広告が入ったり使用時間の制限があるものの公式アルバムの曲は全曲聴けるようになっています。
この制限を外したり、ダウンロード可能にするには月額980円の使用料が必要になります。
公式サイトはこちら

Apple Music

音楽配信サービスの大御所(笑)といえばやっぱりAppleですが、ビートルズの取り扱い状況は他よりも充実しており、BBCセッション、ネイキッド、イエロー・サブマリンソングブック、そしてなんとU.S.Albums(!)も含まれています。但しこれらは単体購入のみでしか聞けないものもあります。

オリジナルアルバム、アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントの50周年エディションまでが聴き放題プランの中に含まれているので、ビートルズを楽しみたいのであればApple Musicが今の所最良の選択と言えるでしょう。

惜しむらくはモノラル盤の取り扱いがないところですが、AppleにはiTunes独占配信だった「The Beatles Bootleg Recordings 1963」があるのが大きいですね。
このアルバムも月額プランで聴けるものの中に入っています。

月額プランは個人では980円。ファミリープラン、1480円もありこちらはこの金額で6人までアクセス可能です。

参考文献

ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

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