ザ・ビートルズ楽曲データベース

Got To Get You Into My Life

邦題
ゴット・トゥー・ゲット・ユー・イントゥー・マイ・ライフ
作者
Lennon/McCartney(ポールの作品)
リードヴォーカル / コーラス
ポール / -
使用楽器
  • Epiphone Casino(John)
  • Rickenbacker 4001 (Paul)
  • Gibson SG? (George)
  • Ludwig (Ringo)
  • Organ (George Martin)
  • Tambourine (Ringo)
  • Trumpet (Eddie Thornton)
  • Trumpet (Ian Hamer)
  • Trumpet (Les Condon)
  • Tenor Saxophone (Alan Branscombe)
  • Tenor Saxophone (Peter Coe)

Recording Data ~レコーディング・データ

ビートルズの英国での7枚目にあたるオリジナルアルバム「リボルバー 」の13曲目に収録されたロックナンバー。大々的に導入されたブラスセクションが印象的である。
作者のポールがリード・ヴォーカルをとっている。ブラスセクションは5名の外部ミュージシャンを起用している。

前アルバム「ラバー・ソウル」のレコーディング・セッションから半年の充電期間を経て開始されたこのアルバムのセッションは、さまざまな実験が盛り込まれて進行した。そのおかげなのか、このアルバムの収録曲がライブで演奏されることはなかった。もはやビートルズの録音物は当時の機材、そして4人という人数で再現は難しくなっていたのだ。

この曲は1966年4月7日、アビイ・ロード第2スタジオにて録音が開始された。
この日は第5テイクまで録音された。
第1テイクのリズムトラックはジョージ・マーティンが弾くオルガンとハイハットのみというかなりシンプルなもの。
第4テイクの前にアレンジの協議があり、第5テイクではようやくヴォーカルが録音される。
リリースされたものとは異なり、ジョンとジョージによるコーラスも入っていたがこのアレンジは破棄。

翌日の4月8日にリメイクを開始。
第6~第8テイクまで録音して、ベストと判断されたのは第8テイク。
この時点でヴォーカルは入っているが、まだブラスなどは入っていない。

1966年4月11日。新たにギターがオーバーダビングされる。
(推測ではあるが、ブレイク時のギターフレーズだと思う。)
この日はジョージの「ラヴ・ユー・トゥ」も録音されている。

1966年5月18日。この日は外部ミュージシャンによるブラスセクションを録音。
若きエンジニア、ジェフ・エメリックはブラスをマイクに極力近づけて、リミッターをカマして録音した。
当時は遠く離れた所にマイクを置くのが常識だったらしい。
12時間におよぶセッションでブラスセクションの録音は終了。
しかし4トラックが埋まってしまっていた。
このアレンジにしてしまうと既成録音のヴォーカルは弱いと判断して、ピンポンの際にヴォーカルを消去。
そして、空いたトラックに新たにヴォーカルとコーラス、そしてギターをオーバーダブする。
これが第9テイクとなる。

そして、1966年6月17日にまたもやギターが追加されてこの曲は完成した。
ミックスダウンの際に、ジョンとジョージのコーラスは省かれてしまったようだ。

Out Takes ~ミックス、テイク違い&リマスター

  1. モノラル盤とステレオ盤ではポールのヴォーカルがほんの一部異なる。
    フェイドアウト寸前のポールのフェイク「Every Single day of my life」の歌い回しが全く異なっている。
    そしてステレオ盤の方が4秒ほどフェイドアウトが早い。
  2. The Beatles Anthology 2」に放棄されたテイク5(1966年4月7日のテイク)が収録されている。オルガンで始まり、全体的にかなり大人しいアレンジとなっている。
    何が驚くかって、この翌日には最終的なホーン導入を見越したテイクを作り終えているのがすごい。
    なんという頭の回転の速さだろうか・・・・・・

An anecdote ~ こぼれ話

  1. ポールは「モータウンサウンド」に影響を受けてこの曲を書いたとの事。
    この曲と似たような編成のアメリカのロックバンド、シカゴはこのアルバムのリリースの翌年、1967年に結成されているのも興味深い話である。(直接影響を受けたかどうかは不明だけど)
  2. この曲はジョージも少し作詞を手伝ったそうだが、クレジットはいつもの「レノン・マッカートニー」になっている。
  3. カバーバージョンとしてはアース・ウィンド&ファイアーの物が有名である。彼らのバージョンは1978年にリリースされビルボードで9位まで上昇し、ブラックチャートでは1位を獲得している。
  4. ポールはウィングス時代~現在に至るまでライブでこの曲を演奏している。
    最近のライブではテクノロジーの進化とともに、ホーンはシンセで弾かれている場合がほとんどである。

各種聴き放題サービスでのビートルズ作品の取り扱い状況

Amazonプライムミュージック

ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)

Amazonジャパンのプレスリリースはこちら。

なぜこの3つが省かれているのかが謎ですが、単体での購入もお忘れなくという事なのかも知れません。
Amazonプライムはお急ぎ便の使用や送料無料、プライムビデオなど様々な特典を含んで月間400円、年間3,900円という価格で提供されています。
ちなみにプライムビデオの方では無料のビートルズ映像作品はありませんでしたし、公式の映画やコンサートフィルムは取り扱い自体がありませんでした。
頻繁にAmazonを使う、という事であれば加入するのもよいかも知れませんがビートルズを全て楽しみたい!という方には微妙かも。

Google Play Music

Googleが提供しているGoogle Play Musicの状況はオリジナルアルバム(アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントペパーの50周年含む)は全て配信されていますが、BBCセッション、レット・イット・ビー・ネイキッドは見当たりませんね。その代わりトニー・シェリダンものやハンブルグものなど少々怪しそうな物もラインナップされてるのがちょっと面白いです。
こちらは月額980円です。公式サイトはこちら

Spotify

Spotifyでの状況はGoogle Play Musicと同じ取り扱い状況ですが、時折広告が入ったり使用時間の制限があるものの公式アルバムの曲は全曲聴けるようになっています。
この制限を外したり、ダウンロード可能にするには月額980円の使用料が必要になります。
公式サイトはこちら

Apple Music

音楽配信サービスの大御所(笑)といえばやっぱりAppleですが、ビートルズの取り扱い状況は他よりも充実しており、BBCセッション、ネイキッド、イエロー・サブマリンソングブック、そしてなんとU.S.Albums(!)も含まれています。但しこれらは単体購入のみでしか聞けないものもあります。

オリジナルアルバム、アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントの50周年エディションまでが聴き放題プランの中に含まれているので、ビートルズを楽しみたいのであればApple Musicが今の所最良の選択と言えるでしょう。

惜しむらくはモノラル盤の取り扱いがないところですが、AppleにはiTunes独占配信だった「The Beatles Bootleg Recordings 1963」があるのが大きいですね。
このアルバムも月額プランで聴けるものの中に入っています。

月額プランは個人では980円。ファミリープラン、1480円もありこちらはこの金額で6人までアクセス可能です。

参考文献

ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

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