ザ・ビートルズ楽曲データベース

Only A Northern Song

邦題
オンリー・ア・ノーザン・ソング
作者
Harrison (ジョージの作品)
リードヴォーカル / コーラス
ジョージ / ポール
使用楽器
  • Piano (John)
  • Rickenbacker 4001 (Paul)
  • Organ (George)
  • Ludwig (Ringo)
  • Glockenspiel (John)
  • Trumpet
  • Timpani

Recording Data ~レコーディング・データ

ビートルズの本国10枚目のオリジナルアルバムでもあり、アニメ映画「イエロー・サブマリン」のサウンドトラックアルバムにもなった「イエロー・サブマリン」の2曲目に収録されているナンバー。
作者のジョージがリードボーカルを取っており、一カ所だけでポールがコーラスをつけている。

1999年にはビートルズ初のリミックス・アルバム「イエロー・サブマリン~ソングトラック~」が発売されたが、そこにもリミックスバージョンが収録されている。

この11枚目のアルバム「イエロー・サブマリン」は1969年1月17日に発売されているが、
映画はそれより7ヶ月前の1968年6月6日に公開されていた。
もともとこの映画のプロジェクトは、
アルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」や「マジカル・ミステリー・ツアー」とほぼ同時進行で進行しており、当初ビートルズはこのアニメ映画自体にあまり乗り気ではなかったのである。

だから「サージェント」制作時などは、「出来の悪い曲はアニメ行き」という冗談を飛ばしながら作業をしていたそうだ。
実質、このアニメの為に書かれた曲は数曲であり、過去のシングル、未発表曲などを映画に提出している。
映画公開から7ヶ月遅れたこのアルバムは、片面にビートルズ6曲(その内新曲は4曲)、片面にジョージ・マーティンによる映画用のオーケストラナンバーが収録されている。

「マジカル」制作中にブライアン・エプスタインが死亡。さまざまなビジネスの混乱が降りかかるようになった。
そして1968年3月にインドへ修行へ行き、曲をたくさん書きためて5月に帰ってきたビートルズは早くレコーディングに入りたくて、1968年6月に公開されるこの映画のサウンドトラックなど眼中に入らなかったのである。
結果的にこの5月末から10月まで「ホワイト・アルバム」のセッションが行われ、ビートルズ(アップルとも言える)はこちらのアルバムを優先して、サウンドトラックの発売は後回しにされた。
そしてこのアルバムが発売された1969年の1月、ビートルズは運命の「ゲット・バック・セッション」に突入していく。

この曲が録音されたのは「サージェント」制作中の1967年2月13日。アビイ・ロード第2スタジオ。
ジョージが「サージェント」に最初に提供したのがこの曲だったが、最終的に収録から漏れたのである。
この日、リズムトラックを9テイク録音して(その内完全バージョンは4テイク)、第3テイクがベストと判断された。

翌日の1967年2月14日。
前日の第3テイクをリダクション(ピンポン)して第10~第12テイクを作成。
そして第12テイクにジョージのボーカルを重ねた。

1967年4月20日。
すでに「サージェント」からこの曲が漏れる事が決定していたが、この曲をアニメ映画「イエロー・サブマリン」に提供するために仕上げにかかった。
2月13日の第3テイクをわざわざ取り出して、すでに録音してある音を消、てベース、トランペット、グロッケンをオーバーダブ。
次に第11テイク(これ自体が第3テイクのリダクションミックス)を引っ張り出してボーカルを録音。
この第3テイクと第11テイクがシンクロミックスされて、完成に至る。

ちなみにこの曲の録音を終えた4日後に「マジカル・ミステリー・ツアー」がレコーディングされた。

Out Takes ~ミックス、テイク違い&リマスター

  1. この曲のステレオ版は疑似ステレオでリリースされており、リアルステレオバージョンは存在しなかった。
    2009年のリマスターステレオ版でもあえてモノラルで収録されている。
    これは同じテイクが元の第3テイクと第11テイクをシンクロしてミックスしたために、楽器の定位などが調整できなかったのであろう。
    ただ、映画で使われた曲のみを集めたリミックスアルバム「イエロー・サブマリン~ソングトラック~」(1999年発売)ではリミックスの際にリアルステレオ化されている。
  2. The Beatles Anthology 2」に1967年2月14日の第12テイクが収録されている。
    オルガン、ベース、ドラム、ボーカルのみのシンプルなバージョン。
    効果音はオーバーダブされる前なので入っていない。
    そして、このバージョンはシンクロミックス前なのでリアルステレオでミックスしてある。

An anecdote ~ こぼれ話

  1. この「Northern Song」は音楽出版社のNorthern Songsをそのまま皮肉った曲である。
    この会社はビートルズの版権の9割を所有しており、ブライアン・エプスタインとディック・ジェイムズが共同出資して作ったものである。主に曲を書いていたジョンとポールはこの会社の株主であった。

    しかしジョージはこの会社の「契約ソングライター」という扱いに過ぎなかったために
    「どんなにがんばって曲を書こうが、どんなコードを弾こうが結局はノーザンソングスだもんな」という皮肉をこめてこの曲を書いたらしい。
  2. 後にジョージは自分の出版社として「Harrisongs」を立ち上げている。
    この曲と「イッツ・オール・トゥー・マッチ」がノーザンソングスの最後の管理曲となった。

Youtube

参考文献

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ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

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