ザ・ビートルズ楽曲データベース

Lady Madonna

邦題
レディ・マドンナ
作者
Lennon/McCartney(ポールの作品)
リードヴォーカル / コーラス
ポール / ポール、ジョン、ジョージ
使用楽器
  • Epiphone Casino (John,George)
  • Rinckenbacker 4001 (Paul)
  • Ludwig (Ringo)
  • Tambourine
  • Tenor Saxophone (Ronnie Scott)
  • Tenor Saxophone (Bill Povey)
  • Baritone Saxophone (Harry Klein)
  • Baritone Saxophone (Bill Jackman)
  • Hand Clap

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Recording Data ~レコーディング・データ

ビートルズの英国での17枚目のオリジナルシングル。カップリング曲は「ジ・インナー・ライト」。
この曲はイギリスでは1968年3月15日に発売された。
作者のポールがリード・ヴォーカルを取り、ジョン・ジョージがコーラスを付けている。

各オリジナルアルバムには未収録のために、編集盤「パスト・マスターズ」に収録されている。

この曲は1968年2月3日、アビイ・ロード第3スタジオにて録音開始された。
インドでの修行に旅立つ直前の事である。
修行の為、イギリスを留守にする3月にシングルを発表する事に決めていたのである。

まずポールのピアノ、そしてリンゴのドラムだけで3テイクを録音。
その第3テイクにポールのヴォーカルとベース、ジョンとジョージのギター(1つのアンプに2本のギターを繋いだそうだ)、リンゴのドラム、ジョンとジョージのスキャットをオーバーダブ。
ジョンとジョージはポテトチップスを食べながらコーラスを録音したらしい。

1968年2月6日。アビイ・ロード第1スタジオ。
先日の第3テイクに空きトラックを作るためにリダクションを行い、第4テイクを作成。
その第4テイクにポールのセカンド・ヴォーカルとピアノ、ハンドクラップ、ジョンとジョージの「see how they run」のコーラス、そして間奏部分の3人によるコーラス(口を手で押さえてくぐもった音を出した)をオーバーダブ。

この第4テイクに空きを作るために再度リダクションを行って第5テイクを作成。
その第5テイクに急遽スタジオに集められたサックス・プレーヤー4人がブラス・セクションをオーバーダブした。
この内の一人はあの有名テナーサックス奏者のロニー・スコットである。

このブラスセクションの録音は101回ものやり直しがあったそうである。

そして1968年2月15日。最終モノリミックスが作成されてこの曲は完成に至る。

なお、ステレオミックスが作られたのは1969年12月2日。
アメリカ編集盤「ヘイ・ジュード」に収録するためのものである。

Out Takes ~ミックス、テイク違い&リマスター

  1. モノラル盤では「See how they run」のコーラスやブラスなどでダブリングの様な処理がされている。
    これはADTだと推測。
  2. The Beatles Anthology 2」に第3テイクを元にした新たなリミックスバージョンが収録されている。
    イントロからサックスソロ部分まではリンゴのブラシプレイ、ポールのピアノとボーカルのみで進行し、最終リリースに使われたサックスソロがこれに絡んでくる。そして2回目のソロの部分ではハンドクラップと口を押さえて収録したコーラスが入り、エンディングでは最終リリース版にはなかったサックスのフレーズが聞こえる。
    最後までギターとベースは入ってこない。
    なお、ポールのボーカルは最終リリース版と同じものである。

An anecdote ~ こぼれ話

  1. この曲のイントロピアノは1956年にリリースされたジャズ曲「Bad Penny Blues」をモチーフにしている。
    そしてこの「Bad Penny Blues」は英国でリリースされたもので、しかもジョージ・マーティンがプロデュースしたもの。
  2. この曲にはプロモーション・フィルムが存在するが、実は「ヘイ・ブルドッグ」の録音風景である。
    元々はこの曲のフィルム撮影のためにスタジオに来た4人だが、「せっかくだから」と曲の録音を始めてしまい、しかもその日のうちに完成させてしまったのである。
    後年、この時のフィルムが全て発見されて「ヘイ・ブルドッグ」のプロモビデオが新たに制作された。
  3. ポールはこの曲がいたくお気に入りの様子でウィングス時代から今に至るまでのライブでは、大抵セットリストに入っている。

各種聴き放題サービスでのビートルズ作品の取り扱い状況

Amazonプライムミュージック

ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)

Amazonジャパンのプレスリリースはこちら。

なぜこの3つが省かれているのかが謎ですが、単体での購入もお忘れなくという事なのかも知れません。
Amazonプライムはお急ぎ便の使用や送料無料、プライムビデオなど様々な特典を含んで月間400円、年間3,900円という価格で提供されています。
ちなみにプライムビデオの方では無料のビートルズ映像作品はありませんでしたし、公式の映画やコンサートフィルムは取り扱い自体がありませんでした。
頻繁にAmazonを使う、という事であれば加入するのもよいかも知れませんがビートルズを全て楽しみたい!という方には微妙かも。

Google Play Music

Googleが提供しているGoogle Play Musicの状況はオリジナルアルバム(アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントペパーの50周年含む)は全て配信されていますが、BBCセッション、レット・イット・ビー・ネイキッドは見当たりませんね。その代わりトニー・シェリダンものやハンブルグものなど少々怪しそうな物もラインナップされてるのがちょっと面白いです。
こちらは月額980円です。公式サイトはこちら

Spotify

Spotifyでの状況はGoogle Play Musicと同じ取り扱い状況ですが、時折広告が入ったり使用時間の制限があるものの公式アルバムの曲は全曲聴けるようになっています。
この制限を外したり、ダウンロード可能にするには月額980円の使用料が必要になります。
公式サイトはこちら

Apple Music

音楽配信サービスの大御所(笑)といえばやっぱりAppleですが、ビートルズの取り扱い状況は他よりも充実しており、BBCセッション、ネイキッド、イエロー・サブマリンソングブック、そしてなんとU.S.Albums(!)も含まれています。但しこれらは単体購入のみでしか聞けないものもあります。

オリジナルアルバム、アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントの50周年エディションまでが聴き放題プランの中に含まれているので、ビートルズを楽しみたいのであればApple Musicが今の所最良の選択と言えるでしょう。

惜しむらくはモノラル盤の取り扱いがないところですが、AppleにはiTunes独占配信だった「The Beatles Bootleg Recordings 1963」があるのが大きいですね。
このアルバムも月額プランで聴けるものの中に入っています。

月額プランは個人では980円。ファミリープラン、1480円もありこちらはこの金額で6人までアクセス可能です。

参考文献

ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

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