ザ・ビートルズ楽曲データベース

All My Loving

邦題
オール・マイ・ラヴィング
作者
Lennon/McCartney(実質はポールの作品)
リードヴォーカル / コーラス
ポール / ジョン、ジョージ
使用楽器
  • Rickenbucker 325(John)
  • Höfner Bass (Paul)
  • Gretch Country Gentleman(George)
  • Ludwig (Ringo)

Recording Data ~レコーディング・データ

ビートルズの英国でのオリジナルセカンドアルバム「ウィズ・ザ・ビートルズ 」の3曲目に収録された、メロディアスでポップなナンバー。日本ではシングルで発売され、なじみのある曲である。
ロイ・オービソンとのツアー中にポールがバスの中で作った曲だそうで、ポールは2009年の今でもこの曲をよく演奏している。
ジョンはこの曲を聴いて「ヤツは完璧な作曲の才能がある!」と絶賛したそうな。

この曲は1963年7月30日に、アビイ・ロード第2スタジオにて録音された。
このセカンドアルバムのセッションは、デビューアルバムの時の「1日で全曲収録」なんて事はせずに、じっくりとレコーディングセッション時間が取られていた模様。
まず11テイクを録音して、12~14テイクはオーバーダブに使用され、その中の11テイクと14テイクを組み合わせた物がアルバムに収録された。(記録では1~14となってるが5テイク目が欠落)

ジョンの6連リズムギターや、ポールのランニングベース、そしてジョージのチェット・アトキンス奏法など半年前のデビューアルバムセッションから比べても技量、アイデアともにかなりの進歩が見られる。

なお、ボーカルは全編ダブルトラック処理されていて、ギターソロ後のサビのハモリは2声ともポールによるもの。
ライブ演奏時はジョージが主旋律を歌い、ポールが3度上のパートを担当している。
これはジョンが6連符を弾きながら歌うのが難しいのと、ジョージの声域の問題でこういう処置がとられたと思われる。

Out Takes ~ミックス、テイク違い&リマスター

  1. 元々この曲はいきなりヴォーカルから始まるが、ハイハットカウントが5発入るバージョンも存在する。
    過去、以下のアルバムに「ハイハット・イントロ」バージョンが収められていた。
    • With the Beatles (ドイツ盤)
    • EP「All my Loving」(ドイツ盤)
    • Beatles Greatest (ドイツ、オランダ、日本)
    • The Beatles Liverpool Box(イギリス、日本)
  2. 2016年9月9日発売の「ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル 」(アナログのみで発売されていた公式ライブ盤「ザ・ビートルズ・スーパー・ライブ!」のCD化)にこの曲のライブバージョンが収録されている。

An anecdote ~ こぼれ話

  1. ビートルズがアメリカ進出して「エド・サリヴァン・ショー」に出演した時に、初めて演奏したのがこの曲。
    この時、全米総人口の72%が (約7300万人) が彼らの演奏を見たとか。
    このおかげかどうかわからないが、出演時間の間の犯罪発生率が異様に低かったらしい。
  2. ポールのベースが一カ所、見事に間違えている。
    ソロ後のデュオになる所、(tomorrow I'll Miss You)の(miss)の部分でC#mのはずが、F#mを鳴らしている。
  3. ジョンが1980年12月8日、ニューヨークの自宅アパート「ダコタハウス」前で、マーク・チャップマンに射殺され、担ぎ込まれた病院で死亡した時、タンノイ・スピーカーから流れていた曲はこの曲だったとか・・・・・

Youtube

各種聴き放題サービスでのビートルズ作品の取り扱い状況

Amazonプライムミュージック

ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)

Amazonジャパンのプレスリリースはこちら。

なぜこの3つが省かれているのかが謎ですが、単体での購入もお忘れなくという事なのかも知れません。
Amazonプライムはお急ぎ便の使用や送料無料、プライムビデオなど様々な特典を含んで月間400円、年間3,900円という価格で提供されています。
ちなみにプライムビデオの方では無料のビートルズ映像作品はありませんでしたし、公式の映画やコンサートフィルムは取り扱い自体がありませんでした。
頻繁にAmazonを使う、という事であれば加入するのもよいかも知れませんがビートルズを全て楽しみたい!という方には微妙かも。

Google Play Music

Googleが提供しているGoogle Play Musicの状況はオリジナルアルバム(アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントペパーの50周年含む)は全て配信されていますが、BBCセッション、レット・イット・ビー・ネイキッドは見当たりませんね。その代わりトニー・シェリダンものやハンブルグものなど少々怪しそうな物もラインナップされてるのがちょっと面白いです。
こちらは月額980円です。公式サイトはこちら

Spotify

Spotifyでの状況はGoogle Play Musicと同じ取り扱い状況ですが、時折広告が入ったり使用時間の制限があるものの公式アルバムの曲は全曲聴けるようになっています。
この制限を外したり、ダウンロード可能にするには月額980円の使用料が必要になります。
公式サイトはこちら

Apple Music

音楽配信サービスの大御所(笑)といえばやっぱりAppleですが、ビートルズの取り扱い状況は他よりも充実しており、BBCセッション、ネイキッド、イエロー・サブマリンソングブック、そしてなんとU.S.Albums(!)も含まれています。但しこれらは単体購入のみでしか聞けないものもあります。

オリジナルアルバム、アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントの50周年エディションまでが聴き放題プランの中に含まれているので、ビートルズを楽しみたいのであればApple Musicが今の所最良の選択と言えるでしょう。

惜しむらくはモノラル盤の取り扱いがないところですが、AppleにはiTunes独占配信だった「The Beatles Bootleg Recordings 1963」があるのが大きいですね。
このアルバムも月額プランで聴けるものの中に入っています。

月額プランは個人では980円。ファミリープラン、1480円もありこちらはこの金額で6人までアクセス可能です。

参考文献

ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

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