ザ・ビートルズ楽曲データベース

I Saw Her Standing There


邦題
アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア
作者
Lennon/McCartney(実質はポールの作品)
リードヴォーカル / コーラス
ポール / ジョン
使用楽器
  • Rickenbacker 325(John)
  • Hofner Bass (Paul)
  • Gretch DUO JET (George)
  • Premier (Ringo)

Recording Data ~レコーディング・データ

ビートルズの記念すべきデビューアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー 」のオープニングを飾る、軽快なロックンロールナンバーである。冒頭のポールの「ワン、ツー、スリー、フォー!」のカウントからも勢いが溢れている。

この曲は1963年2月11日(日曜日)、アビイ・ロード第2スタジオにて録音された。

この日はアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」を(すでにリリースされた4曲以外を)全て1日で録音したのだが、午前10時から始まったセッションでまず、「ゼアズ・ア・プレイス」とこの曲(仮の題名は"Seventeen")の録音に着手。「Seventeen」は第9テイクまで一旦録音された。
その9テイクの内、完全に演奏されたのは3テイクである。

午後のセッションで、ベストだと判断された第1テイクにハンドクラップのオーバーダビングを施しそれを最終テイクとして採用。
そして第9テイクの冒頭に収められたポールのカウント(ワン、ツー、スリー、フォー!)を編集でつなぎ合わせてある。

Out Takes ~ミックス、テイク違い&リマスター

  1. 通常、この曲はポールのカウント「ワン、ツー、スリー、フォー!」から始まるのだが、アメリカで発売されたいくつかの編集盤には「ワン、ツー、スリー」がカットされて、いきなり「フォー!」で始まるなんともお間抜けなバージョンが存在する。以下の編集盤にそのバージョンが収められている。
    • Introducing The Beatles  (米:Vee Jay VJ-1062)
    • Songs Pictures and Stories of the Fabulous Beatles  (米:Vee Jay VJ-1092)
    • The Beatles VS Four Seasons  (米:Vee Jay VJDX/-30)
  2. ビートルズはこの曲をレコーディングする前も、そしてその後もライブで演奏しているのだが、レコード発売後のライブテイクでは、間奏のあとにBメロにいかずにAメロに戻る(短縮している)パターンが多い。
    現在リリースされているCDで確認できるのは以下に収められている物が短縮パターンである。
  3. アンソロジープロジェクトの第1弾シングルである「フリー・アズ・ア・バード」にはカップリングとしてこの曲のテイク9が収録されている。これは各アンソロジーアルバムには未収録でこのシングルでしか入手できない。
  4. 2013年12月17日にiTunes Store限定で配信開始された「The Beatles Bootleg Recordings 1963」にテイク2が収録されている。
    ジョンが相変わらずコーラスの歌詞を間違えており、その為にボツテイクになったのだと思われる。
    確かに演奏してコーラス付けてても「あれ、次が『She wouldn't dance~』だっけか?」って思うのでジョンの気持ちもわからいでもないw

An anecdote ~ こぼれ話

  1. ポールは当初、歌い出しの歌詞を「Well,she was just seventeen, never been a beauty queen.」(彼女はたった17歳、美人コンテストにはまだ未勝利)にしていたんだが、ジョンに「なんだそりゃ?you know what I mean.(どういう事かわかるだろ?)にしようぜ。」と言われたとか。ポール曰く、この曲の思い出はこの歌詞変更につきるらしい。
  2. 楽譜集にこの曲が収録されてる時に、なぜか「その時ハートは盗まれた」というナントモな邦題がついてる事がある。
  3. ポールのギターマガジンでのインタビューによると、この曲のベースラインはチャック・ベリーの「I'm Talkin' about You」からパクった、との事らしい。
    BBCセッションでビートルズは「I'm Talking About You」をカバーしており、この時はジョンがボーカルを取っている。

各種聴き放題サービスでのビートルズ作品の取り扱い状況

Amazonプライムミュージック

ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)

Amazonジャパンのプレスリリースはこちら。

なぜこの3つが省かれているのかが謎ですが、単体での購入もお忘れなくという事なのかも知れません。
Amazonプライムはお急ぎ便の使用や送料無料、プライムビデオなど様々な特典を含んで月間400円、年間3,900円という価格で提供されています。
ちなみにプライムビデオの方では無料のビートルズ映像作品はありませんでしたし、公式の映画やコンサートフィルムは取り扱い自体がありませんでした。
頻繁にAmazonを使う、という事であれば加入するのもよいかも知れませんがビートルズを全て楽しみたい!という方には微妙かも。

Google Play Music

Googleが提供しているGoogle Play Musicの状況はオリジナルアルバム(アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントペパーの50周年含む)は全て配信されていますが、BBCセッション、レット・イット・ビー・ネイキッドは見当たりませんね。その代わりトニー・シェリダンものやハンブルグものなど少々怪しそうな物もラインナップされてるのがちょっと面白いです。
こちらは月額980円です。公式サイトはこちら

Spotify

Spotifyでの状況はGoogle Play Musicと同じ取り扱い状況ですが、時折広告が入ったり使用時間の制限があるものの公式アルバムの曲は全曲聴けるようになっています。
この制限を外したり、ダウンロード可能にするには月額980円の使用料が必要になります。
公式サイトはこちら

Apple Music

音楽配信サービスの大御所(笑)といえばやっぱりAppleですが、ビートルズの取り扱い状況は他よりも充実しており、BBCセッション、ネイキッド、イエロー・サブマリンソングブック、そしてなんとU.S.Albums(!)も含まれています。但しこれらは単体購入のみでしか聞けないものもあります。

オリジナルアルバム、アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントの50周年エディションまでが聴き放題プランの中に含まれているので、ビートルズを楽しみたいのであればApple Musicが今の所最良の選択と言えるでしょう。

惜しむらくはモノラル盤の取り扱いがないところですが、AppleにはiTunes独占配信だった「The Beatles Bootleg Recordings 1963」があるのが大きいですね。
このアルバムも月額プランで聴けるものの中に入っています。

月額プランは個人では980円。ファミリープラン、1480円もありこちらはこの金額で6人までアクセス可能です。

参考文献

ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

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