A Hard Day's Night
- 邦題
- ハード・デイズ・ナイト
(旧題:ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!)
- 作者
- Lennon/McCartney(実質はジョンの作品)
- リードヴォーカル / コーラス
- ジョン、ポール /
- 使用楽器
-
- Gibson J-160E(John)
- Höfner Bass (Paul)
- Rickenbacker 360-12 (George)
- Ludwig (Ringo)
- Piano (George Martin)
- Bongo
- Cowbell
Recording Data ~レコーディング・データ
ビートルズの英国での3枚目、そして初主演映画のサウンドトラックアルバムでもある「ハード・デイズ・ナイト」のオープニングナンバーである。映画の冒頭でも効果的に使用されている。
作者のジョンが主にリードをとり、Bメロ部分はジョンにとってキーが高いためにポールが歌っている。ポールはコーラスにも参加。
ビートルズにとって7枚目の英国オリジナルシングルにあたり、英国・米国ともにチャート1位を獲得した。
B面は「Things we Said Today(今日の誓い)」。
このシングルは英国では1964年7月10日に発売されている。
なお、2009年のリマスターCD発売にあたって邦題が原曲と同じ読みの「ハード・デイズ・ナイト」に改題された。
この曲は1964年4月16日、アビイ・ロード第2スタジオにて録音された。
このアルバムよりレコーディングは4トラックレコーダーが使用されはじめた。
9テイク録音された内の完全バージョン(最後まで演奏された、の意)は5テイク。
その9テイク目がベストと判断された。
「ビートルズ・レコーディング・セッション」によると、トラック1にはベーシックリズム、トラック2にはジョンのヴォーカル、トラック3にはジョンとポールのヴォーカルと、ボンゴ、ドラムス(カウベル?)、アコギ。トラック4にエンディングギターとジョージマーティンのピアノを割り振ったらしい。
Out Takes ~ミックス、テイク違い&リマスター
- ステレオ・モノラル・アメリカ盤でエンディングのフェイドアウト時間が異なっている。
エンディングの12弦ギターのアルペジオがステレオでは5回、モノラルでは3回、米国盤では4回。
- 「The Beatles Anthology 1」に4月16日のセッション、テイク1が収められている。
さすがに1回目のテイクなので、全体的に様子見程度の演奏である。
エンディングではジョンが笑いだしている。
この数時間後にこの曲が出来上がってる事を考えると、それもまたスゴイ話になるんだが・・・・・
- 「The Beatles Live at BBC」にはBBCセッションでの演奏が収められている。
ヴォーカルもダブルトラッキング処理されてて、比較的ちゃんと作っているものの・・・・・・
なぜか間奏のギターソロ部分のみがスタジオバージョンに差し替えられているw
その後に司会者とビートルズのやりとりが続くんだが、この「差し替え」をごまかす(それともギャグか?)会話を延々としているのがおもしろい。(次のトラック「have a banana!」でこのやりとりが聴ける)
- 2016年9月9日発売の「ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル
」(アナログのみで発売されていた公式ライブ盤「ザ・ビートルズ・スーパー・ライブ!」のCD化)にこの曲のライブバージョンが収録されている。
An anecdote ~ こぼれ話
- この曲のタイトルはリンゴのボヤキからインスピレーションを得て作られた。
リンゴが「今日はとてもキツかった・・・(It's been a Hard Day)」と言いかけて、すでにもう夜だった事に気づき「・・・・もう夜やがな!('s Night!)」とつぶやいたのを、ジョンとポールが聞いていてそれがそのままタイトルになった。
この時点で映画の撮影もほとんど終わりかけていたのに、まだタイトルも決まってなかったらしい。
しかし、この「A Hard Day's Night」というタイトルは先にマスコミに発表され、ジョンは「先にタイトルが決まっている物を作らないといけない」というプレッシャーと戦うハメになったのでした。
- そしてこの珍妙な邦題。
「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ! 」の名付け親は「いやー映画ってほんとすばらしいですね」でおなじみの映画評論家、故・水野晴郎氏(当時、日本ユナイトの社員だったためにユナイト社配給のこの映画の邦題をつけた)である。
しかし、2009年のリマスター発売時には「ア・ハード・デイズ・ナイト」に邦題が改題された。
- この曲のイントロ「ジャーン!」は主演映画監督のリチャード・レスターの要望だったとか。
このジャーン!は「いったいどうやってるんだ?」と誰もがコピーを試みるみたいで、しまいには英ダルハウジー大学のJason Brown教授までもが真相解明に乗り出すことに。(その記事はこちら)
管理人はギターを開放弦で全弦思いっきり弾いて、気分だけ味わうという遊び方をしてました。
マーティン卿曰く「レコードで聴こえる通りのことが、必ずしも実際の演奏で行なわれているとは思わないことだ。」アンタがそれを言っちゃあ・・・・・・
- ジョンのギター話。この曲のGコードはちゃんと2弦3フレットのD音を押さえないとダメ。
というかジョンはGのコードはほとんどこっちで押さえるのが手クセのようで、他の曲もほとんどこれ。
- 関西限定話。
団塊ジュニア世代の管理人は、もちろんビートルズのリアルタイム世代ではないのだけども、関西人にとってこの曲は毎日放送のバラエティ番組「突然ガバチョ!」のオープニングで初めて聞いた人も多いと思う。
原曲にリズムマシンによるループがオーバーダブされたものが使われてて(しかしよくこんな事アップルが許したな・・・・)ビートルズバージョンを初めて聞いたときは「あれ?あのイントロの手拍子は?」と思ったのを覚えている。
Youtube
各種聴き放題サービスでのビートルズ作品の取り扱い状況
Amazonプライムミュージック
ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)
Amazonジャパンのプレスリリースはこちら。
なぜこの3つが省かれているのかが謎ですが、単体での購入もお忘れなくという事なのかも知れません。
Amazonプライムはお急ぎ便の使用や送料無料、プライムビデオなど様々な特典を含んで月間400円、年間3,900円という価格で提供されています。
ちなみにプライムビデオの方では無料のビートルズ映像作品はありませんでしたし、公式の映画やコンサートフィルムは取り扱い自体がありませんでした。
頻繁にAmazonを使う、という事であれば加入するのもよいかも知れませんがビートルズを全て楽しみたい!という方には微妙かも。
Google Play Music
Googleが提供しているGoogle Play Musicの状況はオリジナルアルバム(アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントペパーの50周年含む)は全て配信されていますが、BBCセッション、レット・イット・ビー・ネイキッドは見当たりませんね。その代わりトニー・シェリダンものやハンブルグものなど少々怪しそうな物もラインナップされてるのがちょっと面白いです。
こちらは月額980円です。公式サイトはこちら。
Spotify
Spotifyでの状況はGoogle Play Musicと同じ取り扱い状況ですが、時折広告が入ったり使用時間の制限があるものの公式アルバムの曲は全曲聴けるようになっています。
この制限を外したり、ダウンロード可能にするには月額980円の使用料が必要になります。
公式サイトはこちら。
Apple Music
音楽配信サービスの大御所(笑)といえばやっぱりAppleですが、ビートルズの取り扱い状況は他よりも充実しており、BBCセッション、ネイキッド、イエロー・サブマリンソングブック、そしてなんとU.S.Albums(!)も含まれています。但しこれらは単体購入のみでしか聞けないものもあります。
オリジナルアルバム、アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントの50周年エディションまでが聴き放題プランの中に含まれているので、ビートルズを楽しみたいのであればApple Musicが今の所最良の選択と言えるでしょう。
惜しむらくはモノラル盤の取り扱いがないところですが、AppleにはiTunes独占配信だった「The Beatles Bootleg Recordings 1963」があるのが大きいですね。
このアルバムも月額プランで聴けるものの中に入っています。
月額プランは個人では980円。ファミリープラン、1480円もありこちらはこの金額で6人までアクセス可能です。
参考文献
ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。
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