ビートルズの英国での22枚目のオリジナルシングル(活動中のラストシングル)である「レット・イット・ビー」のカップリング曲である。
この曲はイギリスでは1970年3月6日に発売された。
ジョンとポールが遊び心たっぷりに歌っている。
各オリジナルアルバムには未収録のために、編集盤「パスト・マスターズ」に収録されている。
この曲が録音開始されたのはリリースからかなり前の1967年5月17日。アビイ・ロード第2スタジオ。
EP「「マジカル・ミステリー・ツアー」のセッション中の事である。
ギター、ドラム、ベース、ボンゴ、手拍子などで第10テイクまで録音された。
この曲は最終的に5つのパートで形成されるんだが、この日はその内の1つを録音したに過ぎない。
1967年6月8日。アビイ・ロード第3スタジオ。
この日は残りのパート4つをそれぞれ別々に録音している。
この日はブライアン・ジョーンズ(ローリング・ストーンズのギタリスト)がアルト・サックスを吹いた。
またジョージはビブラフォンをプレイしている。
翌日の1967年6月9日。
前日までに録りためたテイクを編集する作業に入る。
パート1の第9テイク、パート2の第12テイク、パート3の第4テイク、パート4の第6テイク、パート5の第1テイクを編集して第30テイクが作成された。
しかし、ここからこのテープは約22ヶ月間放置される。
1969年4月30日。アビイ・ロード第3スタジオ。
「レット・イット・ビー」のギターソロのオーバーダブの後、ジョンとポールはこの古いテープを引っ張り出し
二人で1本のマイクを使ってこの曲の風変わりなボーカルを第30テイクに録音する。
マル・エヴァンスがスコップでジャリをいじる音や、手拍子などもここでオーバーダブされた。
この時点で曲の長さは6分8秒であった。
この日の内にモノリミックスも作成されている。
そこからまた日付は飛んで1969年11月26日。アビイ・ロード第2スタジオ。
ジョンはホワイト・アルバムセッションでボツになった「What's the New Mary Jane」とこの曲を、
プラスティック・オノ・バンド名義でアップルからリリースしようと思っていた。
そして4月30日に作られたモノ・リミックスをコピーして、編集を行い曲を4分19秒に縮める。
「What's The New Mary Jane」にもオーバーダブを行ってステレオリミックスを作成した。
こうして2曲のシングル曲は完成し、「What's the New Mary Jane」とのカップリングでシングルはプレスされた。
1969年12月5日(実に10日後!)にリリースを決め、レコード番号もAPPLES1002とまで決まったが
これは発売中止になってしまう。
恐らく他のメンバーが意義を申し立てたか、もしくはEMIで録音された物をアップルでリリースするとは何事ぞ、というクレームが入ったかのどちらかだと思われる。
そして1970年3月6日にラストシングル「レット・イット・ビー」が発売される際のカップリング曲に決まったのである。
このシングルの初回プレス版には「APPLES1002-A」という刻印まで残っていたらしい。
「What's the New Mary Jane」はオーバーダブ前のバージョンが後年、「The Beatles Anthology 3」に収録されている。
そしてリリースされた時には、サックスを吹いたブライアン・ジョーンズはすでにこの世にいなかった。
1969年7月2日深夜、自宅プールで溺死している所を発見されている。
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ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。
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