ザ・ビートルズ楽曲データベース

You Know My Name (Look Up The Number)

邦題
ユー・ノウ・マイ・ネーム
作者
Lennon/McCartney(二人の共作)
リードヴォーカル / コーラス
ジョン、ポール / -
使用楽器
  • Epiphone Casino (John)
  • Rickenbacker 4001 (Paul)
  • Ludwig (Ringo)
  • Maracas (John)
  • Conga (Ringo)
  • Bongo
  • Vibraphone (George)
  • Gravel (Mal Evans)
  • Bird Whistle
  • Sax (Brian Jones)
  • Hand Clap

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Recording Data ~レコーディング・データ

ビートルズの英国での22枚目のオリジナルシングル(活動中のラストシングル)である「レット・イット・ビー」のカップリング曲である。
この曲はイギリスでは1970年3月6日に発売された。
ジョンとポールが遊び心たっぷりに歌っている。

各オリジナルアルバムには未収録のために、編集盤「パスト・マスターズ」に収録されている。

この曲が録音開始されたのはリリースからかなり前の1967年5月17日。アビイ・ロード第2スタジオ。
EP「「マジカル・ミステリー・ツアー」のセッション中の事である。
ギター、ドラム、ベース、ボンゴ、手拍子などで第10テイクまで録音された。

この曲は最終的に5つのパートで形成されるんだが、この日はその内の1つを録音したに過ぎない。

1967年6月8日。アビイ・ロード第3スタジオ。
この日は残りのパート4つをそれぞれ別々に録音している。

この日はブライアン・ジョーンズ(ローリング・ストーンズのギタリスト)がアルト・サックスを吹いた。
またジョージはビブラフォンをプレイしている。

翌日の1967年6月9日。
前日までに録りためたテイクを編集する作業に入る。
パート1の第9テイク、パート2の第12テイク、パート3の第4テイク、パート4の第6テイク、パート5の第1テイクを編集して第30テイクが作成された。

しかし、ここからこのテープは約22ヶ月間放置される。

1969年4月30日。アビイ・ロード第3スタジオ。
レット・イット・ビー」のギターソロのオーバーダブの後、ジョンとポールはこの古いテープを引っ張り出し
二人で1本のマイクを使ってこの曲の風変わりなボーカルを第30テイクに録音する。
マル・エヴァンスがスコップでジャリをいじる音や、手拍子などもここでオーバーダブされた。
この時点で曲の長さは6分8秒であった。
この日の内にモノリミックスも作成されている。

そこからまた日付は飛んで1969年11月26日。アビイ・ロード第2スタジオ。
ジョンはホワイト・アルバムセッションでボツになった「What's the New Mary Jane」とこの曲を、
プラスティック・オノ・バンド名義でアップルからリリースしようと思っていた。
そして4月30日に作られたモノ・リミックスをコピーして、編集を行い曲を4分19秒に縮める。
「What's The New Mary Jane」にもオーバーダブを行ってステレオリミックスを作成した。

こうして2曲のシングル曲は完成し、「What's the New Mary Jane」とのカップリングでシングルはプレスされた。
1969年12月5日(実に10日後!)にリリースを決め、レコード番号もAPPLES1002とまで決まったが
これは発売中止になってしまう。

恐らく他のメンバーが意義を申し立てたか、もしくはEMIで録音された物をアップルでリリースするとは何事ぞ、というクレームが入ったかのどちらかだと思われる。

そして1970年3月6日にラストシングル「レット・イット・ビー」が発売される際のカップリング曲に決まったのである。
このシングルの初回プレス版には「APPLES1002-A」という刻印まで残っていたらしい。

「What's the New Mary Jane」はオーバーダブ前のバージョンが後年、「The Beatles Anthology 3」に収録されている。

そしてリリースされた時には、サックスを吹いたブライアン・ジョーンズはすでにこの世にいなかった。
1969年7月2日深夜、自宅プールで溺死している所を発見されている。

Out Takes ~ミックス、テイク違い&リマスター

  1. この曲のステレオバージョンは最初から存在しない。
    シングルはモノリミックスからの編集版から収録されており、ステレオミックス自体が行われていないためである。
    2009年のステレオリマスター版でも律儀にモノラルで収められてる上に、
    モノボックスの方にもなぜかこの曲が入っている。
  2. The Beatles Anthology 2」にこの曲を再編集したものが収められている。
    ただし6分8秒のフルバージョンではなく5分43秒となっている。
    今まで聞いた事のないパート(2番目)を聴くことが出来るが、この部分はシングルリリース時には根こそぎカットされたようである。
    何がおもろいって、このアンソロジーバージョンはステレオ・ミックスされている事である。
    それなら2009年のステレオリマスターでステレオに出来たんちゃうんかーい!!!
    まあ、「ビートルズの意向を尊重して」モノラルミックスを選んだんだろうけどね・・・

An anecdote ~ こぼれ話

  1. ジョンはポールに「マントラみたいに同じ事をずっと唱える曲にしたい」という事を告げ、そして歌詞をポールに見せた。ポールは「え?これだけ?」って返したらしい。
    ほとんどお遊びで出来たこの曲だが、ポールは当時を思い出して「あれは楽しんで作ったよ!」と発言している。
  2. ブライアン・ジョーンズはサックスを持ってスタジオに入ってきたとき、ガチガチに緊張してたそうだ。
    ポールは「あれ?なんでサックス?ギターじゃないの?」と思わず問いかけてしまったとか。

各種聴き放題サービスでのビートルズ作品の取り扱い状況

Amazonプライムミュージック

ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)

Amazonジャパンのプレスリリースはこちら。

なぜこの3つが省かれているのかが謎ですが、単体での購入もお忘れなくという事なのかも知れません。
Amazonプライムはお急ぎ便の使用や送料無料、プライムビデオなど様々な特典を含んで月間400円、年間3,900円という価格で提供されています。
ちなみにプライムビデオの方では無料のビートルズ映像作品はありませんでしたし、公式の映画やコンサートフィルムは取り扱い自体がありませんでした。
頻繁にAmazonを使う、という事であれば加入するのもよいかも知れませんがビートルズを全て楽しみたい!という方には微妙かも。

Google Play Music

Googleが提供しているGoogle Play Musicの状況はオリジナルアルバム(アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントペパーの50周年含む)は全て配信されていますが、BBCセッション、レット・イット・ビー・ネイキッドは見当たりませんね。その代わりトニー・シェリダンものやハンブルグものなど少々怪しそうな物もラインナップされてるのがちょっと面白いです。
こちらは月額980円です。公式サイトはこちら

Spotify

Spotifyでの状況はGoogle Play Musicと同じ取り扱い状況ですが、時折広告が入ったり使用時間の制限があるものの公式アルバムの曲は全曲聴けるようになっています。
この制限を外したり、ダウンロード可能にするには月額980円の使用料が必要になります。
公式サイトはこちら

Apple Music

音楽配信サービスの大御所(笑)といえばやっぱりAppleですが、ビートルズの取り扱い状況は他よりも充実しており、BBCセッション、ネイキッド、イエロー・サブマリンソングブック、そしてなんとU.S.Albums(!)も含まれています。但しこれらは単体購入のみでしか聞けないものもあります。

オリジナルアルバム、アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントの50周年エディションまでが聴き放題プランの中に含まれているので、ビートルズを楽しみたいのであればApple Musicが今の所最良の選択と言えるでしょう。

惜しむらくはモノラル盤の取り扱いがないところですが、AppleにはiTunes独占配信だった「The Beatles Bootleg Recordings 1963」があるのが大きいですね。
このアルバムも月額プランで聴けるものの中に入っています。

月額プランは個人では980円。ファミリープラン、1480円もありこちらはこの金額で6人までアクセス可能です。

参考文献

ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

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