ビートルズの本国9枚目のオリジナルアルバム、そして唯一の2枚組アルバムの「ザ・ビートルズ」 (通称:ホワイト・アルバム)のDisc1、3曲目に収められたナンバー。作者のジョンがリード・ヴォーカルをとっている。
1968年、ビートルズはシングル「レディ・マドンナ」を録音し終えた後、2月15日から3月の末までにインドに滞在した。
マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーの元で瞑想修行をするためである。
このインド滞在中にかなりの曲を書きためたビートルズは4月に帰国後、5月30日の「レボリューション1」を始めにこのアルバムのセッションを開始した。
最終的に曲は32曲録音されたが、ジョージ・マーティンは「クォリティを高めるために1枚に絞り込むべきだ」と主張。
ビートルズ側はこれを聞き入れずに最終的に30曲入りの2枚組として発売したのである。
各自の音楽家としての成長、それと共に育つエゴとプライド。
そしてセッション途中からの8トラックレコーディングの導入が、それぞれの個人作業を容易にしてしまった。
5月14日にはビートルズ自身のレコード会社「アップル」設立を発表。
ブライアン・エプスタイン不在の中、ビートルズはまったく未経験のビジネスに身を投じストレスを溜め込み始める。
お互いがお互いを助け合っていた4人のバランスが、このセッションより微妙に狂い始めたのだった。
この曲が録音開始されたのは1968年9月11日。アビイ・ロード第2スタジオにて。
この時期はジョージ・マーティンが休暇を取っていたために、便宜上クリス・トーマスがプロデューサーだった。
ドラム、ベース、アコギ、エレキのシンプルな編成でリズムトラックを34テイク録音し、第33テイクがベストとなる。
ちなみに1968年9月3日以降より、アビイ・ロードスタジオは8トラックレコーダーを使用できるようになった。
この曲はその8トラックレコーダーを使用して録音されている。
翌日の1968年9月12日。
ジョンのリード・ヴォーカルと、リンゴのタンバリンを追加。
その翌日の1968年9月13日。
ポールのピアノと、リンゴのドラムを追加。
1968年9月16日。
ポールは歌詞の「Fool on the Hill」の部分に、「フール・オン・ザ・ヒル」で使われたリコーダーのフレーズを追加する事を思いつき、それをオーバーダブする。
1968年9月26日。
ジョンはまだなにか足りないと思ったのか、電話のベルの音や、ガラスを割る音、そしてテレビ音声などをミックスしたサウンド・エフェクトを作り、この曲のエンディングに付け足した。
その後、休暇から戻ったジョージ・マーティンがこの曲を聴いて、「ストリングスを入れたらどうだろう」と提案。
ジョンはそれを快く受け入れて、マーティンがスコアを書くことになった。
1968年10月10日。アビイ・ロード第2スタジオ。
この日はジョージの「ピッギーズ」とこの曲のストリングスのオーバーダブが行われた。
そのセッションが行われている最中に、ポールは第3スタジオにて「ホワイ・ドント・ウィー・ドゥー・イット・イン・ザ・ロード」の仕上げにかかっていて、第2スタジオには不在だった。
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ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。
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