ビートルズが企画した映画「マジカル・ミステリー・ツアー」のサウンドトラック盤(イギリスでは2枚組EP盤として発売された)のディスク1のA面1曲目に収められたタイトルナンバーである。作者のポールがリード・ヴォーカルをとり、ジョンも一部のリードを担当。3人がバックコーラスを担当している。
この6曲入りEP盤のセッションはアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のセッションが終わり、まだ発売もされていない1967年4月25日から開始されている。(「サージェントのミックスダウンが終わったのは5日前の4月20日!)
アメリカでは複数の曲をEP盤の片側に詰め込む事が一般的ではなかったために、
アルバムに未収録だったこの時期のシングルを収録した編集アルバムとして、LP盤「マジカル・ミステリー・ツアー」が企画され、本国でのEP発売の10日前にキャピトルから先行発売された。
1987年のCDリリースに際して、全世界で音源そしてカタログラインナップを統一する事になり、唯一アメリカ編集盤からこのLPが選ばれて統一カタログにラインナップ入りする事となった。
現行のCDでは「マジカル・ミステリー・ツアー」の1曲目に収録されている。
1967年4月初めにアメリカに行ったポールは、「ビートルズが大型バスに乗り込んでミステリー・ツアーに出るというテレビ番組」を思いつき、4月11日のイギリスに帰国する飛行機の中でメモを書き留めた。
帰国してそのメモをメンバーに見せた段階で、このテレビ番組の制作が決定する。
具体的な内容、および制作スケジュールはまだだったが「いずれタイトル曲は必要だろう」という判断から、ポールが曲を書くことになった。
そして1967年4月25日。アビイ・ロード第3スタジオにてリハーサルを開始。
ポールがピアノを弾きながら、みんなに曲を説明しながらトランペットを入れる事などを決定。
この後、すぐに録音が開始される。
まずギター×2、ピアノ、ドラムでリズム・トラックを3テイク録音。
ベストと判断された第5テイクをリダクション(ピンポン)。
それを5回繰り返して、その中の第8テイクがベストに選ばれる。
そして「バスツアーのタイトル曲」にはやはりバスの音が必要だろう、という事になり、アビイ・ロードのライブラリから「乗り物の音」を探し出した。
このライブラリは単体でステレオミックス(乗り物が左から右へ、または右から左へ移動していく)だったので、それをそのまま編集してオーバーダブした。
翌日の1967年4月26日。
前日の第8テイクに、ポールのベース、ビートルズのメンバーとニール・アスピノールそしてマル・エヴァンスによるパーカッション類、そしてバックコーラスをオーバーダブ。
ここでまたもやトラックがいっぱいになったのでリダクションを行い、これを第9テイクとした。
その翌日、1967年4月27日。
空きトラックにジョンとポールのリード・ヴォーカル、ジョージのコーラスを録音する。
冒頭の語り部分はテープのスピードを下げて録音されたために、通常再生ではかなり声が変わる事になった。
1967年5月3日。
外部ミュージシャンが招かれて、ブラス・セクション(トランペット×4)の録音。
これを持ってこの曲は完成に至った。
特になし
特になし
ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)
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ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。
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