ザ・ビートルズ楽曲データベース

The Beatles Recording History

2作目の映画も決まり、しかも今度はカラー映画になった。
「イエスタデイ」で世間を驚かせ、なんと球場でのコンサート(シェア・スタジアム)をも成功させてしまうほどの大出世ぶり。

イギリスではなんとMBE勲章をもらい、気が狂うほどの忙しさの中でなんとか2枚のアルバムを作成。

シタールを使ったり音楽的な幅が広がっては来たけど、ライブ演奏しても誰もまともに聞いていない事にだんだん疲れてきてしまった。

そんな1965年。

1965

Date 曲名 備考
2/15

※5thアルバム「ヘルプ!」のセッション開始。

年が明けてまた映画が決まる4人。
それに伴ったセッションも去年同様に開始される。
例のごとく映画タイトルは未定、撮影もまだという進行w

涙の乗車券」はこの日の内に録音終了。

2/16 アナザー・ガール」にポールがリードギターをオーバーダブ。
やり直しがきかない一発勝負だったという研究結果もあるそうな。
アイ・ニード・ユー」は例のヴォリューム奏法のギターをオーバーダブ。
初めてボリュームペダルが使われたセッションになる。
イエス・イット・イズ」はこの日に全て録音が終了している。
2/17

※「はじめてのエレクトリックピアノ」

ビートルズメンバーが鍵盤楽器を録音するのはこの日が初めてであった。

2/18

※「はじめての外部演奏者」

この日は「計画的に」外部演奏家を呼んだ初めてのセッション。
フルート奏者のケン・スコットが「悲しみはぶっとばせ」に参加。

またこの日はジョン、ポール共作でリンゴの歌う「If You've Got Trouble」が録音されたがアルバムからは外された。
これは現在「アンソロジー2」に収録されている。

2/19 この日はこの曲のみに費やされる。
2/20
  • That Means a Lot
この曲は二日間に渡っていじくりまわされるも結局アルバムには採用されなかった。現在は「アンソロジー2」に収録されている。
2/22  

※4人は映画の撮影の為にバハマへ出発。

この際に今まで録音した曲のリミックスを
映画監督に聴かせるために持って行った。
※この時点でタイトル曲がまだ出来てない事に注目w

2/23   ビートルズ不在でステレオ・ミックスが制作される。
3/30
  • That Means a Lot
2/20の続き。
完全にリメイクして作り直されるもボツ。
4/9 9thシングル「涙の乗車券 / イエス・イット・イズ」発売。
4/13 ようやくタイトル曲が登場。
「Eight Arms to Hold You(8本の腕が君を抱きしめちゃうゾ♪)」というアホみたいなタイトルになりかけてた2作目の映画も「ヘルプ!」と決まり、前映画と同様に先にタイトルが決まっている曲を書かなければならなかった。
5/10

ジョンによる「ラリー・ウイリアムズ」Day!
アメリカのマーケットに向けてのこのセッション曲はアメリカに送られてすぐに発表された(信じられないかもしれないが、アメリカではビートルズはサージェントまで曲順入れ替えや勝手な編集アルバムの発売に対して発言できる権限がなかったのである。)

ディジー・ミス・リジー」はアルバム「ヘルプ!」に収録されたが、「バッド・ボーイ」は本国イギリスでは1966年12月10日に発売されたベストアルバム「オールディーズ(未CD化)」に収録されるまで未発表だった。

6/8   なぜかノーマン・スミスが「抱きしめたい」の新リミックスを制作。(意図不明)
6/14

※「はじめてのストリングス」

まさにポールの独断場のこの日。
「夢の人」ではカントリーをキメて、「アイム・ダウン」でリトル・リチャードばりにシャウト、そしてその次に「イエスタデイ」を優しく歌い上げた。
ストリングスのオーバーダブも、ビートルズにとって初めての経験である。

6/15  
6/17

2/18の「If You've Got Trouble」をボツにしたために、アルバムにリンゴの歌う曲がないことに気づいた4人は、急遽バック・オーウェンスのカバー曲を録音する。
なお「ゲット・バック・セッション」が始まるまで、ビートルズはこの日を最後にカバー曲の録音をすることはなかった。

ウェイト」はこのアルバムでは使われずに、次作「ラバー・ソウル」のセッションの際にこの日のテープを引っ張りだして仕上げる事となる。

6/18   最終的なモノ・ステレオのリミックス。
7/23 10thシングル「ヘルプ! / アイム・ダウン」発売。
8/6 5thアルバム「ヘルプ!」発売。
8/29  

※ハリウッド・ボウルでのライブレコーディング。

この日の録音はアクシデントの為、全て未発表。
ポールの声が冒頭4曲ほど録音されていなかったとか。

8/30  

※ハリウッド・ボウルでのライブレコーディング。

この日の内、7曲が1977年に発売された「ザ・ビートルズ・スーパー・ライヴ!」に収録された。未だにCD化されていない。

10/12

※6thアルバム「ラバー・ソウル」のセッション開始
※「はじめてのシタール」

前年に引き続き「年に2枚」のオリジナルアルバムの発表を守るべく
再びセッションに入る4人だが、前年の「フォー・セール」時に比べ2ヶ月もスタジオ入りが遅く、しかもほとんど録音する曲が出来ていなかった。

それでも「12月初め」の発売に向けて、過酷なセッションに入る4人。
この日の「ノルウェーの森」は完成に至るが、テイクそのものがボツ。
後日にリメイクされる事になる。
この日のテイクは「アンソロジー2」に収録されている。

10/13

※「はじめての日付変更線越え(レコーディング時)」

さすがに制作スケジュールが詰まっていると見えて無理をする4人。
この曲はこの日の内に完成している。

10/16 アルバム収録曲とは別にシングルも録音する4人。
デイ・トリッパー」はこの日の内に完成し、4人は「恋をするなら」のリズムトラックを録音した所でセッションを終えた。
10/18 先週末の「恋をするなら」を完成させた4人は、ジョンの「イン・マイ・ライフ」に着手。間奏部分は空白のままこの日はセッション終了。
10/20 この日は初の両A面シングルになるこの曲に費やされた。
10/21 「ノルウェーの森」をリメイクして完成させる。
「ひとりぼっちのあいつ」は3声コーラスを練り上げたところでこのテイクを放棄。翌日にリメイクされる。
10/22 「イン・マイ・ライフ」の間奏部分をジョージ・マーティンがオーバーダブ。
テープ速度を1/2にして録音された。
その後、「ひとりぼっちのあいつ」をリメイクして完成させる。
10/24 この日はこの曲に費やされたがこのテイクは最終的にボツ。
このボツバージョンは現在「アンソロジー2」に収録されている。
10/25   今までの録音曲のモノ・リミックス・セッション。
10/26   ステレオ・リミックス・セッション。
ビートルズはこの日、バッキンガム宮殿にて「MBE勲章」を授与されていた。
10/28   恋を抱きしめよう」のリミックス。これはテレビ用にリミックスされた物だが、ビートルズはこれを聴いて後日ボーカルのオーバーダブを行う事を決める。
10/29   恋を抱きしめよう」にボーカルをオーバーダブ。
デイ・トリッパー」のリミックスもこの日にやり直す。
11/3 この日はこの曲に費やされて、完成させている。
ここらあたりから深夜までのセッションは通常化している。
11/4

この日のセッションは前もって午前3時までと決められた。
発売まで1ヶ月を切った上に曲も半分弱しか録音されていない為である。
古い曲が引っ張り出され、これをリンゴが歌った。

「12-Bar Original」はインストゥルメンタルナンバーだがアルバムには結局収録されずにボツ。
現在「アンソロジー2」に収録されている。

11/6 リメイクしたもののこの日のバージョンもボツになった。
11/8

クソ忙しいこのスケジュールをぬってファンクラブ用のクリスマスソノシートの録音もせねばならない人気者。

「嘘つき女」ではケン・タウンゼント(アビィ・ロード・スタジオのエンジニア)が組み立てたファズ・ボックスに通したベースが使用された。

11/9   ビートルズ不在のリミックスセッション
11/10 「君はいずこへ」が再度のリメイクでようやく満足できるリズムトラックが完成。
「愛のことば」はこの日の内に完成している。
11/11

セッションもいよいよクライマックス!
「ユー・ウォント・シー・ミー」「ガール」の新曲を手早く完成させ、前アルバム「ヘルプ!」のセッション時(1965年6月17日)に録音された「ウェイト」を引っ張り出して、オーバーダブを施して体裁を整え、そして「君はいずこへ」にボーカルを録音して、このアルバムのセッションを終えた。

全てのセッションが終わった時は午前7時だったそうな。

11/15   アルバムの最終リミックス。曲順もここで決定された。
11/30   「12-Bar Original」は前日の時点でアルバムからは外されたが、メンバーのプライベートコレクションにするためにこの日モノ・ミックスされた。
12/3 11thシングル「デイ・トリッパー / 恋を抱きしめよう」発売。(初の両A面シングル)
6thアルバム「ラバー・ソウル」発売

ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

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