ザ・ビートルズ楽曲データベース

The Beatles Recording History

髪を伸ばして髭も蓄えた4人はすでに「アイドル」ではなく「アーティスト」となっていた。ライブをやらなくなってスタジオにこもり実験を繰り返す毎日。

6月に歴史的名盤「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」をリリースし、そして映画「マジカル・ミステリー・ツアー」やアニメ映画「イエロー・サブマリン」などなどコンサート以外での表現方法を模索するように次々とプロジェクトを立ち上げていく4人。

しかし、デビュー前から4人の面倒を見てくれていたブライアン・エプスタインが死亡。

船頭を失ったかの如く4人の気持ちにズレが生じ始める1967年。

1967

Date 曲名 備考
1/4 第7テイクにジョンのピアノ、ジョージのギター、ポールのVoを追加。
1/5 ポールのVoを再録音。
1/6 ポールのベース、ジョンのギター、リンゴのドラムをオーバーダブ。
リダクションして空きトラック作成(第8テイク)
第8テイクにピアノ、クラップ、スキャットを追加。
再度リダクションして第9テイクを作成。
1/9 第9テイクに管楽器類をオーバーダブ。
1/10 第9テイクにハンドベル、スキャットなどをオーバーダブ。
1/12 第9テイクにまたも管楽器類をオーバーダブ。
1/17

1/11にテレビで見たクラシックコンサートを見てインスパイアされたポールはピッコロトランペットを入れる事を思いつき、そのテレビに出ていた奏者デヴィット・メイスンをスタジオに呼んだ。

第9テイクにピッコロトランペットをオーバーダブ。
その場でモノミックスが作られてアメリカに送られた。
(これがリミックス違いを産む原因となる)

1/19

基本リズムとジョンのボーカル。
途中の空白部分をマル・エヴァンスがカウントして、目覚ましベルの音を鳴らした。第4テイクではジョンのボーカルが3通り録音されている状態。

「アンソロジー2」にはこの日の第2テイクと翌日の中間部分を足した物が収録されている。

1/20

第4テイクをリダクションして第5~7テイクを作成。
その第6テイクにジョンのVo、リンゴのDr、ポールのベースを録音。
中間部分のポールのVoも録音され、偶然にも歌詞の歌い出しと前日のマル・エヴァンスが鳴らした目覚ましベルがリンクする事となった。
(後日、このポールのベースは録音しなおされる)

1/25   1/17のリミックスを聴いて、不十分だと判断した結果「ペニー・レイン」の新しいリミックスが作られる。
1/17のリミックスですでにプロモーション盤がプレスされて、アメリカのラジオ曲に配布されていたために、後にこれがコレクターズアイテムとなる。
1/30   「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のラフミックス作成。
この時ビートルズは「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」のプロモビデオを撮影していて不参加。
2/1 いよいよあの名盤のタイトル曲が登場。
この時点でコンセプトアルバムの方向性が決まったようだ。
第9テイクまで録音。
2/2 ポールのリードヴォーカルとジョン、ジョージのコーラスを録音した後で、リダクションして空きトラックを作成。(第10テイク)
2/3 第6テイクのポールのVo、ドラム、ベースを再録音。
2/8 第9テイクまで録音。
2/9 アビイ・ロードスタジオは埋まっていて、 しかたなくリージェント・サウンド・スタジオという所でこの曲を録音。第3テイクまで録音。
2/10 2台の4トラックレコーダーを同期させて、40人のオーケストラを4回録音してそれをミックスダウン。
第6テイクをリダクションして空きトラックを作成(第7テイク)
2/13 このセッションでジョージが最初に録音したこの曲は結局「サージェント」には収録されず、映画「イエロー・サブマリン」提供される事になる。
第9テイクまで録音してベストは第3テイク。
2/14 第3テイクを数回リダクションして空きトラックを作成(第12テイク)
ここにジョージのVoを録音。
2/16 Voとベースをオーバーダブしてリダクションして空きトラック作成。
第10テイクを作成。
この第10テイク(第8かも)が「アンソロジー2」に収録されている。
2/17

第7テイクまではリズムトラック。
第7テイクをリダクションして、空きトラックを作成(第9テイク)
これにジョンのリードVoを追加。

この日のテイクを元にした編集バージョンが「アンソロジー2」に収録されている。

2/17 14thシングル「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー / ペニー・レイン」発売。
両A面シングル。
2/20 古いスチームオルガンのテープからサウンドエフェクトを作成。
2/21 アビイ・ロード・スタジオにて新たにテイク4を録音するも破棄。
結局2/9の第2テイクをリダクションしてそれを第3テイクとする。
この曲はここで完成。
2/22 最後のピアノコード「バーーーーーーン」が録音された。
その後にモノ・ステレオミキシングされ、ビートルズのメンバーも参加。
最終的なリミックスは翌日に完成する。
2/23 ポールのボーカル以外のトラックはほぼこの日に完成。
2/24 ポールのVoを録音。
2/28 この日はリハーサルのみで録音はなし。
3/1

第7テイクまではリズムトラック。
リダクションして空きトラックを作成(第8テイク)。

この日の第7テイクが「アンソロジー2」に収録されている。

3/2 ジョンのVo,ポールのコーラス、ジョージのギターをオーバーダブ。
モノミックスもこの日に作成(翌日に4種類作成される)。
3/3 第10テイクに管楽器(セッションマン)をオーバーダブ。
ポールによるリードギターもこの日に録音された。
3/6 冒頭のざわめきがライブラリからマスターテープに録音される。
モノ・ステレオミックスもこの日に作成された。
3/7 コーラス、パーカッション(クシとトイレットペーパー・・・)などがオーバーダブされる。
3/9 第7テイクまでリズムトラック。
リダクション(5回行われた)して第12テイクを作成。
3/10 第12テイクにタンブーラ、ベース、ドラムを録音。
3/13 第10テイクにセッションマンによる管楽器を録音。
3/15 外部ミュージシャンによるバックトラックの録音。
(ジョージ以外のメンバーはこの曲に参加していない)
3/17

※「はじめての女性外部ミュージシャンの参加」

外部ミュージシャンによるバックトラックの録音。

3/20 ポールのVoとジョンのコーラスを録音。
この曲はこれで完成。
3/21

第12テイクをリダクションして第13テイクを作成。
そこにVoとコーラスを録音する。

ジョンがラリって屋上から飛び降りかけるのを慌てて阻止する。

「ラヴリー・リタ」の間奏をジョージ・マーティンが録音。

3/22 リダクションして空きトラックを作成(第2テイク)
3/23 ヴォーカルを録音しなおして、リダクション(第15テイク)
そこにリンゴによるボンゴを録音。
モノ・ミックスを作成。
3/28

ジョンのVoを録音した後、リダクションして空きトラック作成(第11テイク)。そこにポールのギターソロ、コーラスを録音。

ジョンの要望により動物の鳴き声のSEを制作。

「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」にはハーモニカ、オルガン、ギターをオーバーダブ。

3/29

「グッド・モーニング・グッド・モーニング」に動物SEを追加。

「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」に2/20に作成したサウンドエフェクトを追加。

「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」第10テイクまで(バックトラック)録音してリダクション(第11テイク)。
そこにリンゴのVoを録音する。

3/30

この日、アルバム「サージェント」のジャケット撮影が行われた。

「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」にギター、タンバリン、コーラスなどを追加。

3/31

「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」にオルガンとグロッケンを追加。

「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」のモノリミックスを作成。

4/1

いよいよアルバム制作も大詰め。
この曲は第9テイクまでで全てが完成した。

第5テイクが「アンソロジー2」に収録されている。

4/3 ヴァイオリン、シタール、ギター、ジョージのヴォーカルを録音。
4/4 最後の笑い声がライブラリから追加される。
4/6   モノラルアルバムのクロスフェイド処理作業を開始。
この時点でポールはアメリカに行ってしまっていて不在。
4/7   ステレオアルバムのクロスフェイド処理作業を開始。
4/17   ミキシング作業
4/19  

「グッド・モーニング・グッド・モーニング」の最後の鶏の声と、次の曲「リプライズ」とのつなぎ目を制作。

ポールがアメリカより帰国したので、翌日からの録音セッション再開にむけて「オンリー・ア・ノーザン・ソング」のアセテート盤を制作。

4/20 2/13の第3テイクにベースなどを録音しなおす。
そして第11テイクにVoを追加。
4/21 前日の第3テイクと第11テイクをシンクロミックス。
「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の後の無限ループSEもこの日作られた。
4/25

※映画「マジカル・ミステリー・ツアー」プロジェクト開始

まだ「サージェント」が世に出ないうちから次のプロジェクトを開始。
まずはリズムトラックを作成、そしてバスのSEをライブラリから編集する。

4/26 第8テイクにベース、パーカッション類、ボーカルを録音。
リダクションして空きトラックを作成(第9テイク)。
4/27 第9テイクにボーカル、コーラスを録音。
5/3 空きトラックにセッションマンによるブラスを録音。
5/4   「マジカル・ミステリー・ツアー」のモノリミックス作成。
しかしこの日の物は使用されず。
5/9   だらだらとジャムセッションをして、インスト曲を録音するが未発表。
5/11

※アニメ映画「イエロー・サブマリン」プロジェクト開始。

オリンピックスタジオでの録音。
この日の内に全部終了した。

5/12 アニメ映画用の曲を録音。
前日のオリンピックスタジオのスピード感が作用したのか、この曲もこの日の内にリミックスまで終了している。
5/17 ラストシングル「レット・イット・ビー」のカップリング曲が、すでにこの時期に録音開始されている。 第10テイクまで録音。
5/25 ド・レイン・リー・スタジオでの録音。
第4テイクまで。
5/26 前日と同じくド・レイン・リー・スタジオでの録音。
第4テイクをリダクションしてパーカッション、ヴォーカル類を録音。
6/1 8thアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」発売。
6/2 ド・レイン・リー・スタジオでの録音。
金管・木管楽器のオーバーダブ。
トランペット奏者のデヴィッド・メイスン(ペニー・レインのトランペットを吹いた人)曰く、「ジョージ(ハリスン)は自分でも何をやりたいのかわかっていなかったようだ」とのコメントを残している。
6/7 第9テイクにオーバーダブ。(第20~24テイク)
20分近いジャムが録音された。
6/8 2番目のセクションを12テイク、3番目のセクションを4テイク、4番目のセクションを6テイク、5番目のセクションを1テイク録音。
この録音にはザ・ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズがサックスで参加している。
6/9 前日までのテイクから良いところをつなぎ合わせて30テイクを作成。
なお、この段階ではまだヴォーカルは録音されていない。
6/14 6/25に世界中継番組「アワ・ワールド」にイギリス代表として出演することになった4人。ほぼ10日前になってようやくこれに取り組み始める。
この日は33テイク録音して、第10テイクがベストと判断された。
6/19 第10テイクにボーカル、コーラス、ドラム、ピアノ、バンジョーをオーバーダブ。
6/21 テレビ番組の監督に手渡すためのアセテート盤を作成。
6/23 第10テイクをリダクションしてオーケストラを録音。
6/24 この日はマスコミにリハーサル風景を公開。
BBC用のリハーサルの後、リズムトラックにいくつかオーバーダブ。
なお、シングルとして発売するのが決まったのはなんとこの日
6/25

※「アワ・ワールド」放送。

入念なリハーサルの後で本番開始。
なお、この日は出来上がった第10テイクを流しながらレコーディングされた。放送終了後、イントロ部分にリンゴがドラムロールをオーバーダブしている。

6/26 モノラルミックスを作成。
7/7 15thシングル「愛こそすべて / ベイビー・ユア・ア・リッチ・マン」を発売
8/22 この日はチャペル・レコーディング・スタジオでの録音。
8テイクまで録音している。
8/23 前日に引き続きチャペル・レコーディング・スタジオでの録音。
8テイクをリダクションして第9テイクを作成。
それにオーバーダブをしている。
8/27   ※ブライアン・エプスタインが死亡。
9/1   ポール自宅でミーティング。
インド行きを延期して「マジカル・ミステリー・ツアー」プロジェクトをとりあえず完成させてしまう事を決める。
9/5 ブライアン死亡後の初仕事。
この日は第16テイクまで録音している。
9/6

第16テイクをリダクションして第17テイクを作成。
ベースとドラム、そしてジョンのヴォーカルをオーバーダブ。

「ブルー・ジェイ・ウェイ」はこの日第1テイクだけ終了。
フール・オン・ザ・ヒル」はポールによるピアノ弾き語り。

9/7 オーバーダブとリダクション(ピンポン)を重ねて第3テイクまで。
9/8 第6テイクをリダクションして第7、8テイクを制作。
9/16 ユア・マザー・シュッド・ノウ」はリメイク。(後に破棄される)
他の2曲はリミックス作業である。
9/25 9/6のデモテープを元に録音を開始。
リズムトラックを第3テイクまで録音。
リダクションして第4テイクを作成すると、それにヴォーカル、リコーダーなどをオーバーダブした。
9/26 第4テイクをリダクションして第5テイクを作成。
楽器を加えたあとさらにリダクションして第6テイクを作成。
そして第6テイクにもオーバーダブを施す。
9/27 第17テイクをリダクション後、空きトラックにオーケストラ、コーラス(マイク・サム・シンガーズ)をオーバーダブ。
この日の作業はややこしいので本編を参照どうぞ。
9/28 リミックスの合間を縫ってメロトロン、ギターなどをオーバーダブ。
9/29 アイ・アム・ザ・ウォルラス」にラジオ音声をオーバーダブ。
ユア・マザー・シュッド・ノウ」は結局8/23にチャペルで録音したバージョンにオーバーダブを開始する。
10/2 リズムトラックを録音。
第14テイクをリダクションして第15、16テイクまで作成する。
10/6 最終オーバーダブ。
チェロとタンバリンを追加。
10/12   映画用のインストナンバーを制作。
(これはCDには未収録)
10/19 第16テイクへのオーバーダブ。
ギター、ボーカル、コーラス。
10/20 外部ミュージシャンによるフルートの録音。
10/25 ベースをオーバーダブ。
11/1   同時進行のアニメ映画「イエロー・サブマリン」のためのリミックス作業。
「愛こそすべて」「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」の2曲。
11/2 もう一度ベースをオーバーダブ。そしてモノ・リミックス作成。
11/6   今まで録音した曲のステレオ・ミックス。
11/7 ポールのヴォーカルと効果音を追加。
そして他の曲のステレオ・ミックス作成も引き続き行われる。
11/10   ハロー・グッドバイ」のプロモーション・ビデオ撮影。
11/15   ハロー・グッドバイ」のビデオ用のリミックス作成。
(映像にヴィオラがいないためにヴィオラの音を抜いた)
11/17   「アイ・アム・ザ・ウォルラス」の前半をリミックスしなおす。
11/24 16thシングル「ハロー・グッドバイ / アイ・アム・ザ・ウォルラス」発売。
11/27 米国にてキャピトル編集アルバム「マジカル・ミステリー・ツアー」発売。
(後のCD化はこちらの編集盤から選ばれている。)
11/28   クリスマスレコード「Christmas Time(is here again)」を録音。
この曲は4人によるオリジナルで、現在では1995年に発売されたシングル「フリー・アズ・ア・バード」のカップリングで入手可能。
11/29   「Christmas Time(is here again)」のモノリミックス。
12/8 英国にて2枚組EP盤「マジカル・ミステリー・ツアー」発売。
12/26   ※映画「マジカル・ミステリー・ツアー」がBBCで初放映。

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ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

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