Back

Get Back

Get Back

邦題
ゲット・バック
作者
Lennon/McCartney(ポールの作品)
リードヴォーカル / コーラス
ポール / ジョン
使用楽器
  • Höfner Bass (Paul)
  • Epiphone Casino (John)
  • Fender Telecaster (George)
  • Ludwig (Ringo)
  • Fender Rhodes (Billy Preston)

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レコーディング・データ

ビートルズの12枚目の英国オリジナルアルバム、そしてラストアルバムとなった「レット・イット・ビー」の12曲目に収められているナンバー。
1970年5月8日に発売されているこのアルバムだが、録音は前アルバム「アビイ・ロード」より前に行われている。
作者のポールがリード・ヴォーカルを取っており、ジョンがコーラスを付けている。

ビートルズにとって19枚目のオリジナルシングルであり、1969年4月11日に発売された。
カップリングは「ドント・レット・ミー・ダウン」。

1969年1月2日から始まったトゥイッケナム・フィルム・スタジオでのリハーサルからこの曲は演奏されている。
その際の曲名は「(Don't Dig )No Pakistanis」という題名であり、当時のイギリスの労働問題を歌った社会的な歌詞であった。(パキスタン人がイギリスに来て仕事するからイギリス人の仕事が無くなる。元いた場所に帰れよ、という内容。)

この曲が録音開始されたのは1969年1月23日。サヴィル・ロウのアップルスタジオ。
この日は第10テイクまで録音されたがこれは未発表となった。

1969年1月27日。サヴィル・ロウのアップルスタジオ。
この日は20回以上のテイクを重ねた後、アルバムに収められたテイクを録音する事に成功。
(シングルバージョンは別テイクであり、翌日のバージョンが使用されている。)

1969年1月28日。サヴィル・ロウのアップルスタジオ。
この日はデビュー曲「ラヴ・ミー・ドゥ」も演奏されたがあまりにもラフ過ぎて未発表となる。
そしてビートルズとビリー・プレストンは一致団結してこの曲と、カップリングの「ドント・レット・ミー・ダウン」を立て続けに録音した。
この曲のシングル・バージョンはフェイドアウトで終わるが、実際はかなり長く演奏されており、シングルで使われなかった部分が映画のエンディング部分、そして未発表アルバム「ゲット・バック」に使用された。

1969年1月30日。この日はアップル屋上での「ルーフ・トップ・コンサート」。
ビートルズはこの曲を合計3回演奏している。

ちなみにこの「ルーフ・トップ・コンサート」のセットリストは以下。

  1. Get Back (リハーサルテイク)
  2. Get Back
  3. Don't Let me Down
  4. I've Got a Feeling(映画、アルバムに使用されたのはこのバージョン)
  5. One After 909(映画、アルバムに使用されたのはこのバージョン)
  6. Dig a Pony(映画、アルバムに使用されたのはこのバージョン。)
  7. God Save the Queen(英国国歌。テープ交換の際に演奏された即興)
  8. I've Got a Feeling
  9. Don't Let me Down
  10. Get Back(後に「The Beatles Anthology 3」に収録された。)

1969年3月26日。アビイ・ロードスタジオでこの曲をシングルとしてリリースするためのリミックスが行われた。
これは1月28日のテイクを使用したものである。

1969年4月7日。オリンピックスタジオにてポールとグリン・ジョーンズはリミックス作業をやり直した。
前日にラジオでオンエアされたテスト盤の出来が悪かったためである。
このミックスをプレスするために、実際の発売日(4月11日)には店頭に間に合わなかったらしい。

約1年後の1970年3月26日。アビイ・ロードスタジオ4号室。
すでにアルバム「レット・イット・ビー」のプロデューサーとして仕事を始めていたフィル・スペクターは、1月27日のテイクからこの曲をリミックスしてアルバムに収録した。

ミックス、テイク違い&リマスター

  1. この曲に関してはシングル、そしてアルバム収録の2つのバージョンが存在している。
    またこの2つのバージョンに関してはプロデューサーが異なっており以下の差異がある。
    • ジョージ・マーティンのプロデュースしたシングルバージョン。
      1969年1月28日の演奏テイクであり、エンディングのブレイク後、再び演奏が始まってフェイドアウトする。
      パスト・マスターズ vol.1&2」に収録されている。
    • フィル・スペクターのプロデュースしたアルバム・バージョン。
      1969年1月27日の演奏テイク。冒頭にギターのチューニング音、ジョンが即興で歌う「"Sweet Loretta Fart, she thought she was a cleaner, but she was a frying pan.…"(いとしのロレッタ・ファート(=屁)。彼女は自分を掃除機(または潔癖性)だと思っていたけど、実はフライパンだったのさ)などがリミックスされており、エンディングのブレイク後はポールによる「Thanks,Mo(ありがとう、モー(=モーリーン。リンゴ・スターの先妻のこと。)」、ジョンの「I'd like to say thank you on behalf of the group and ourselves, I hope we passed the audition.…"(バンドを代表して皆様にお礼申し上げます。オーディションに受かるといいんだけど)というセリフで終わる。
    ジョンのギターでのオブリが両者で違ったり、演奏面でもかなりの違いがある。
  2. The Beatles Anthology 3」に、1969年1月30日のアップル屋上でのライブが収録されている。
    これはビートルズによる最後のライブの最後の曲であり、警察が屋上まで上がって来たためか、ジョンとジョージのギターアンプのスイッチがスタッフによって電源を落とされ、しばらくはリンゴ、ポール、ビリー・プレストンのみの演奏になっている。
  3. レット・イット・ビー...ネイキッド 」にはシングルバージョンを基にしたバージョンが収録されている。
    しかし最後のフェイドアウトもなく、セリフもないのでエラくあっさりした終わり方になっている。

こぼれ話

  1. もともとは「パキスタン人なんてイギリスにいらない。元の場所に帰れ」という歌詞だったこの曲は、逆説的に現状を訴えようとするポールの意図があったが、周りに反対されて歌詞を変更したそうである。
  2. この「JOJO」というのはジョンの事だという説もある。
    ヨーコとわけわからん変な活動してないでこっちに帰ってこい、というポールのメッセージだったのだろうか。
    しかしポールは「元いた場所に帰れ」と歌うときにヨーコを見ていた、とジョンに責められたこともあるとか。

聴き放題サービスでのビートルズの取扱状況

Amazonプライムミュージック

ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)

Amazonジャパンのプレスリリースはこちら。

なぜこの3つが省かれているのかが謎ですが、単体での購入もお忘れなくという事なのかも知れません。
Amazonプライムはお急ぎ便の使用や送料無料、プライムビデオなど様々な特典を含んで月間400円、年間3,900円という価格で提供されています。
ちなみにプライムビデオの方では無料のビートルズ映像作品はありませんでしたし、公式の映画やコンサートフィルムは取り扱い自体がありませんでした。
頻繁にAmazonを使う、という事であれば加入するのもよいかも知れませんがビートルズを全て楽しみたい!という方には微妙かも。

Google Play Music

Googleが提供しているGoogle Play Musicの状況はオリジナルアルバム(アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントペパーの50周年含む)は全て配信されていますが、BBCセッション、レット・イット・ビー・ネイキッドは見当たりませんね。その代わりトニー・シェリダンものやハンブルグものなど少々怪しそうな物もラインナップされてるのがちょっと面白いです。
こちらは月額980円です。
公式サイトはこちら

Spotify

Spotifyでの状況はGoogle Play Musicと同じ取り扱い状況ですが、時折広告が入ったり使用時間の制限があるものの公式アルバムの曲は全曲聴けるようになっています。
この制限を外したり、ダウンロード可能にするには月額980円の使用料が必要になります。
公式サイトはこちら

Apple Music

音楽配信サービスの大御所(笑)といえばやっぱりAppleですが、ビートルズの取り扱い状況は他よりも充実しており、BBCセッション、ネイキッド、イエロー・サブマリンソングブック、そしてなんとU.S.Albums(!)も含まれています。但しこれらは単体購入のみでしか聞けないものもあります。

オリジナルアルバム、アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントの50周年エディションまでが聴き放題プランの中に含まれているので、ビートルズを楽しみたいのであればApple Musicが今の所最良の選択と言えるでしょう。

惜しむらくはモノラル盤の取り扱いがないところですが、AppleにはiTunes独占配信だった「The Beatles Bootleg Recordings 1963」があるのが大きいですね。
このアルバムも月額プランで聴けるものの中に入っています。

月額プランは個人では980円。ファミリープラン、1480円もありこちらはこの金額で6人までアクセス可能です。

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