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Taxman

Taxman

邦題
タックスマン
作者
Harrison(ジョージの作品)
リードヴォーカル / コーラス
ジョージ / ジョン、ポール
使用楽器
  • Cowbell(John)
  • Rickenbacker 4001 (Paul)
  • Epiphone Casino (Paul,George)
  • Ludwig (Ringo)
  • Tambourine (Ringo)

レコーディング・データ

ビートルズの英国での7枚目にあたるオリジナルアルバム「リボルバー 」の1曲目に収録されたアップテンポのナンバー。作者のジョージがリード・ヴォーカルをとり、ジョンとポールがコーラスをつけている。

前アルバム「ラバー・ソウル」のレコーディング・セッションから半年の充電期間を経て開始されたこのアルバムのセッションは、さまざまな実験が盛り込まれて進行した。そのおかげなのか、このアルバムの収録曲がライブで演奏されることはなかった。もはやビートルズの録音物は当時の機材、そして4人という人数で再現は難しくなっていたのだ。

この曲は1966年4月20日、アビイ・ロード第2スタジオにて録音が開始された。
この日4テイクを録音(うち完全バージョンは2テイク)するも、このテイクは破棄される。
同日に「アンド・ユア・バード・キャン・シング」も録音が開始されている。

翌日の1966年4月21日。ビートルズはリメイクを開始。
この日はこの曲のみに費やされ、まず第1~第10テイクはリズムトラックを録音する事に専念。
ようやく第11テイクでジョージのヴォーカルが入ったが、この時点では冒頭のジョージによるカウントも、終盤のジョンとポールによる「ha,ha, Mr.Wilson」などのコーラスも入っていない。
このコーラスの部分には「Anybody Gotta bit of money?(誰か金持ってねえ?)」というコーラスが挿入されていた。

翌日の1966年4月22日。カウベルと「ha,ha Mr.Wilson」の部分のコーラスがオーバーダブされた。
この段階ではまだエンディングの部分のギターソロは空白のままである。

そして1966年6月21日。
モノ・ステレオの両方のミックスダウン時に、エンディングにギターソロ部分が追加される。
これは、曲中盤で出てくるギターソロ部分と全く同じものをテープ編集で挿入したもの。
このギターソロはジョージの曲にもかかわらずポールが弾いている。

ミックス、テイク違い&リマスター

  1. ステレオとモノラルでパーカッション類の違いがある。モノラルではカウベルは2番の歌詞「Should five per cent appear too small」の直後から入るが、ステレオではその後の「cos I'm the Taxman」の部分(しかも2拍目)から入ってくる。
  2. フランスのアナログ盤はオープニングのカウントが全てカットされている。
  3. The Beatles Anthology 2」に1966年4月21日時点のテイク12が収録されている。
    「ジャッジャー」の部分にもう一本の単音のギターが聞こえるのと、 「Anybody Gotta bit of money?」のコーラスが聞こえる。そして、このバージョンではラストの歌詞「And you're working for no one but me.」の直後に唐突に曲が終わっており、この事からも中盤のギターソロ部分をここに切り貼りして、フェイドアウト処理をしたのでは?という仮説も立てられる。

こぼれ話

  1. このアルバムではジョージの曲が3曲という、今までの中では最多の収録数を誇り、またジョージの曲でアルバムトップを飾ったのはビートルズのキャリア中ではこの曲だけである。
  2. この頃のイギリスはウィルソン政権の元で富裕層には95%という税率を課しており、もちろん富裕層に入るビートルズは不満を抱いていた。「There's one for you, nineteen for me(1があなたで19が私の取り分だ)」「Should five per cent appear too small Be thankful I don't take it all(5%でご不満かな?全部持って行かないだけでも感謝して欲しいものだ)」「And you're working for no one but me.(君が働いてるのは誰のためでもない。私の為だよ)」という歌詞に、ジョージの皮肉が爆発している。
    またさすがにウィルソンの名前だけ出すのはやばいと思ったのか、野党党首であるヒースの名前も出して彼らなりにバランスを取ったのだと思われる。
  3. 1991年のジョージの来日コンサートでもこの曲は演奏された。クラプトンのギターソロはさすがだなあ、と思ったのを覚えている。あと曲のサイズが若干長くなっていて(歌詞も追加されていた)、例のウィルソンとヒース部分が2度出てきた。2度目にはそこの名前がメージャー(当時イギリス首相)とブッシュ(当時アメリカ大統領)に変更されていたのにニヤリとしてしまったのもよく覚えてる。

聴き放題サービスでのビートルズの取扱状況

Amazonプライムミュージック

ビートルズ・オリジナルアルバムはAmazonプライムの特典である「Amazon Prime Music」で「ウィズ・ザ・ビートルズ」「ビートルズ・フォー・セール」「イエロー・サブマリン」を除いて聴き放題に含まれています。(いずれも2009年リマスターのみ)

Amazonジャパンのプレスリリースはこちら。

なぜこの3つが省かれているのかが謎ですが、単体での購入もお忘れなくという事なのかも知れません。
Amazonプライムはお急ぎ便の使用や送料無料、プライムビデオなど様々な特典を含んで月間400円、年間3,900円という価格で提供されています。
ちなみにプライムビデオの方では無料のビートルズ映像作品はありませんでしたし、公式の映画やコンサートフィルムは取り扱い自体がありませんでした。
頻繁にAmazonを使う、という事であれば加入するのもよいかも知れませんがビートルズを全て楽しみたい!という方には微妙かも。

Google Play Music

Googleが提供しているGoogle Play Musicの状況はオリジナルアルバム(アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントペパーの50周年含む)は全て配信されていますが、BBCセッション、レット・イット・ビー・ネイキッドは見当たりませんね。その代わりトニー・シェリダンものやハンブルグものなど少々怪しそうな物もラインナップされてるのがちょっと面白いです。
こちらは月額980円です。
公式サイトはこちら

Spotify

Spotifyでの状況はGoogle Play Musicと同じ取り扱い状況ですが、時折広告が入ったり使用時間の制限があるものの公式アルバムの曲は全曲聴けるようになっています。
この制限を外したり、ダウンロード可能にするには月額980円の使用料が必要になります。
公式サイトはこちら

Apple Music

音楽配信サービスの大御所(笑)といえばやっぱりAppleですが、ビートルズの取り扱い状況は他よりも充実しており、BBCセッション、ネイキッド、イエロー・サブマリンソングブック、そしてなんとU.S.Albums(!)も含まれています。但しこれらは単体購入のみでしか聞けないものもあります。

オリジナルアルバム、アンソロジー3つ、ハリウッドボウル、サージェントの50周年エディションまでが聴き放題プランの中に含まれているので、ビートルズを楽しみたいのであればApple Musicが今の所最良の選択と言えるでしょう。

惜しむらくはモノラル盤の取り扱いがないところですが、AppleにはiTunes独占配信だった「The Beatles Bootleg Recordings 1963」があるのが大きいですね。
このアルバムも月額プランで聴けるものの中に入っています。

月額プランは個人では980円。ファミリープラン、1480円もありこちらはこの金額で6人までアクセス可能です。

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