ザ・ビートルズ楽曲データベース

The Beatles Recording History

つい言ってしまった「僕らはもはやキリストよりも有名」という言葉。
それでアメリカの保守層は激怒してレコードを燃やしたり割ったりする所が出てきてしまう。
そんな騒動の中、アルバムを1枚制作して初来日公演。

日本でも「ペートルかなんか知らんけどそんなヤツラを日本に入れるな」とか「武道館で演奏なんて何事ぞ」とか大変な騒動。

しかもその後のフィリピンでは政府を巻き込んでの騒動になり、本当に生命の危機が訪れてしまった。

「こんな事ならもうライブをやらない。レコードだけ作りたい。」

転機が訪れた1966年。

1966

Date 曲名 備考
4/6

※7thアルバム「リボルバー」のセッション開始

このセッションよりジェフ・エメリック(なんと若干20歳だった)がビートルズのレコーディングエンジニアとして参加。
この日録音された「トゥモロー・ネバー・ノウズ」のテイク1は「アンソロジー2」に収録されている。

4/7 「トゥモロー・ネバー・ノウズ」に様々なSEをオーバーダブ。
夜からは「ゴット・トゥー・ゲット・ユー・イントゥー・マイ・ライフ」をテイク5まで録音するがこのテイクは破棄された。
現在このテイク5は「アンソロジー2」に収録されている。
4/8 前日のテイクを破棄して最初から録音しなおす。
この時点ではまだブラスセクションは録音されていない。
4/11 「ゴット・トゥー・ゲット・ユー・イントゥー・マイ・ライフ」にギターをオーバーダブ。
「ラヴ・ユー・トゥ」は外部ミュージシャンがタンブーラを弾いている。
4/13 「ラヴ・ユー・トゥ」をリダクション(ピンポン)して空きトラックを作成、そこにコーラスなどをオーバーダブする。
「ペイパーバック・ライター」はこの日リズムトラック+ボーカルを録音しているが完成は翌日のセッション。
4/14 「ペイパーバック・ライター」はこの日に完成。
テープ速度変更など様々な録音技術を駆使して「レイン」の録音も行われる。
4/16 リダクションして空きトラックを作成し、様々な物がオーバーダブされる。モノラルミックスまでこの日は作成された。
4/17 この時点ではリズムトラックのみ
4/19 ボーカルを録音。その後モノラルミックスを制作する。
4/20

「アンド・ユア・バード・キャン・シング」のこの日のテイクは破棄されて後日リメイクされるが、現在では「アンソロジー2」で聴くことができる。ジョンとポールが歌いながら爆笑しはじめるほほえましいテイク。

「タックスマン」のこの日のバージョンもリメイクされたために破棄された。

4/21 イチからのリメイク開始。
リズムトラックの完成、そしてジョージのVoを録音してこの日は終了。
4/22

「タックスマン」をリダクションしてテイク12を作成しコーラスをオーバーダブ。
このリダクションしたてのテイク12が「アンソロジー2」に収録されている。

「トゥモロー・ネバー・ノウズ」にシタールとジョンの追加Voをオーバーダブ。

4/26 「アンド・ユア・バード・キャン・シング」のリメイク。
4/27 夜まで今まで録音した曲のリミックスをビートルズ立ち会いの下で作成。夜11時30分ごろから「アイム・オンリー・スリーピング」の録音を開始。
この日はテイク11まで重ねて、リズムトラックを完成させた。
「アンソロジー2」にテイク1が収録されている。
4/28 この日は管弦楽8重奏の録音セッション。
リダクションしてポールのVoのための空きトラックを作る所で終了。
バックトラックのみのバージョンが「アンソロジー2」に収録されている。
4/29 「エリナー・リグビー」にポールのVoを録音。
「アイム・オンリー・スリーピング」にジョンのVoをオーバーダブ。
5/5 「アイム・オンリー・スリーピング」に逆回転ギターを録音
5/6 「アイム・オンリー・スリーピング」にジョン・ポール・ジョージのコーラスをオーバーダブし、空きトラック確保の為にリダクション。
5/9 リズムトラックを作成。(ジョン、ジョージは不参加)
5/12  

アメリカ編集盤「イエスタデイ・アンド・トゥデイ」の為のリミックスを制作。
「ドクター・ロバート」「アンド・ユア・バード・キャン・シング」「アイム・オンリー・スリーピング」の3曲。

後にイギリス版のためにこの3曲のリミックスはやり直されるので、「アイム・オンリー・スリーピング」にミックス違いが発生する。

5/16 「フォー・ノー・ワン」にポールのVoを録音。
「タックスマン」にはあの冒頭のカウントが追加される。
5/18 「ゴット・トゥー・ゲット・ユー・イントゥー・マイ・ライフ」にブラスセクションをオーバーダブ。ポールのVo、ジョン、ジョージのコーラスを再録音して、ギターもオーバーダブされた。
5/19 「フォー・ノー・ワン」にアラン・シヴィルによるフレンチホルンをオーバーダブ。
5/20   「ドクター・ロバート」「アンド・ユア・バード・キャン・シング」「アイム・オンリー・スリーピング」のステレオ・リミックスを行う。(アメリカ盤の為)
5/26 SE以外の録音はこの日の内にほとんど終了している。
なおジョージ・マーティンは食中毒で録音を欠席。
その代わりに自分の彼女(後に結婚する)を4人の「監視役」として派遣したw
6/1 「イエロー・サブマリン」にサウンドエフェクトをオーバーダブ。
6/2 ベース以外の録音はこの日に全て終了。
6/3

※「はじめてのベース単体オーバーダブ」

ポールのベースを単独トラックにオーバーダブするのはこの時が初めてである。
なお「イエロー・サブマリン」のモノ・ミックスも5種類制作されて、冒頭に存在したリンゴの語りは削除された。

6/6 「エリナー・リグビー」にポールのVoをオーバーダブ。
6/8 リズムトラックとVoまで仕上げる。
6/9 リンゴのシンバル、ジョージ・マーティンのホンキートンクスタイルのピアノ、エンディングのコーラスを録音して完成。
6/10 12thシングル「ペイパーバック・ライター / レイン」発売。
6/14 この日は第4テイクまで録音
6/16 ベストと判断された第13テイクにオーバーダブを施す。
6/17 「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」にポールの追加Voをオーバーダブ。
「ゴット・トゥー・ゲット・ユー・イントゥー・マイ・ライフ」に再度ギターをオーバーダブ。 これにより前回作成したリミックスが使えないため再度モノ・ミックスを作成。
6/20 リミックスをやり直した結果「ブラスをもっと分厚くする方がいい」との判断から、タイミングをずらしたブラスのオリジナルテープをオーバーダブ。
これによりこの曲は完成に至る。
6/21 午前~午後にかけて今までの録音曲のリミックスに費やす。
夜7時から最後の録音曲「シー・セッド・シー・セッド」を録音開始。
彼らにしては多めの25テイクをリハーサルに費やしている。
(ポールがジョンと口論して飛び出して参加していない、という説がある)
6/22   最終のモノ・ステレオのミックス。
6/29   ※ビートルズ来日!!
6/30   ※ビートルズ日本公演(夜)
7/1   ※ビートルズ日本公演(昼・夜)
7/2   ※ビートルズ日本公演(昼・夜)
7/5   ビートルズ、ツアー先のフィリピンでトラブルに巻き込まれる。
Wikipediaを参照
8/6 13thシングル「エリナー・リグビー / イエロー・サブマリン」発売。(両A面)
7thアルバム「リボルバー」発売。
8/29   ビートルズ、サンフランシスコ・キャンドルスティック・パーク公演。
このライブを最後に、ライブ活動を停止する。
10/31  

年にアルバム2枚、そしてクリスマスレコードという決まりがこの年はどう考えても無理な状況なので、ベストアルバムが企画された。(本国イギリスのみ)
アルバムはモノ・ステレオの両方がリリースされる事が決定したが、シングルはモノラルのみでのリリースだったので、ここで改めてステレオ・リミックスが制作されることになる。

この日は「ペイパーバック・ライター」のステレオリミックスが制作された。
(なお、メンバー4人はこれらの作業はノータッチである)

11/7   「抱きしめたい」のステレオミックス作成。
11/8   「シー・ラヴス・ユー」のステレオミックス作成。
しかしオリジナルの2トラックテープはすでに存在せず、モノマスターしか残っていなかったため、ジェフ・エメリックは左右のトーンを調節して「疑似ステレオ」バージョンを作り出した。
11/10  

「デイ・トリッパー」「恋を抱きしめよう」「ジス・ボーイ」のステレオリミックス作成。なお「ジス・ボーイ」は電話を受けとった人間が「バッド・ボーイ」と取り違えてしまい、作成してしまったもの。
(後日、ディスクカッティングの前に無事に差し替えられている)

11/24

ビートルズ、ライブ活動停止以来のレコーディング。
結果的にこれが「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のセッションとなる。

久しぶりにスタジオに集結した4人が取り組んだのはこの曲。
第1テイクはすぐさま破棄されたが
この日のテイクは「アンソロジー2」に収録されている。

11/25   ディック・ジェイムス・ミュージック(ビートルズの音楽出版社)の地下スタジオでクリスマスレコードを録音。
11/28 第4テイクにジョンのVoをオーバーダブしてラフミックスを作成。
11/29 昨日のテイクとは別に第6テイクまで録音し、それにジョンのVoをオーバーダブして第7テイクとする。
この第7テイクを中心とした編集バージョンが「アンソロジー2」に収録されている。
12/6 この日はリズムトラックを作成。
12/8 今までのテイクを全て破棄してリメイク開始。
第24テイクまでテイクを重ねる。
12/9 昨日の第24テイクをリダクションして空きトラックを作成。(第25テイク)
パーカッション類、逆回転のシンバルなどをオーバーダブ。
12/9 ベストアルバム「A Collection of Beatles Oldies」発売。(未CD化)
日本でも「オールディーズ」という邦題で発売された。
「バッド・ボーイ」が本国イギリスで初めて発表された事になる。
12/15 12/9の第25テイクをにトランペット、チェロをオーバーダブ。
それをリダクションして第26テイクを作成。
ジョンのVoを録音する。
12/20 ポール、ジョン、ジョージのコーラスをオーバーダブ。
リダクションして第4テイクを作成
12/21

「ホエン・アイム・シックスティー・フォー」の第4テイクにクラリネットをオーバーダブ。

「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」にジョンのVoとピアノをオーバーダブ。

12/22 ジョンの「最初のバージョンも捨てがたいから繋いで♪」という無茶ブリにジョージ・マーティン卿が神対応を見せて、ようやくこの曲は完成する。
12/29 ポールが何種類かのキーボードを重ねてトラックを埋める。
「ホエン・アイム・シックスティー・フォー」「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」のリミックスもこの日作成された。
12/30 「ホエン・アイム・シックスティー・フォー」のリミックスがあまり気に入らなかったポールはこの日、スピードを速めて再度リミックスする。(結果的に半音キーが上がった)
「ペニー・レイン」はリダクションして出来た空きトラックにポールのVoとジョンのコーラスを録音。

ビートルズ公式録音曲213曲を徹底的に解説!テイク違いやミックス違い、そして2009年リマスターについてを動画等を交えて書き連ねています。

△ページ最上部へ移動

ザ・ビートルズ曲雑記ブログ レコーディング年表(1962-1970) ステレオ・モノラルその他テイク違い一覧表 イギリス本国でのシングルレコード一覧表